[II-OR28-03] ファロー術後遠隔期のCMR所見と2Dエコーstrainの関係性
Keywords:ファロー四徴症, CMR, 2Dストレイン
【背景】ファロー四徴症(TOF)の遠隔期には再手術を要する患者が存在する。多くは肺動脈弁逆流(PR)に起因する右室拡大を来しており、その手術適応にはCMRがgold standardとなっている。しかし、CMRは検査時間などの制限がある一方、経胸壁エコー(TTE)は簡便であるが成人例が多く含まれ体格面から完全な評価が困難であることが多い。【目的】TOF術後患者のCMRとTTE所見の相関性を見出す。【方法】当院ではMRIはSiemens MAGNETOM symphony 1.5Tを使用し、解析にはArgusを使用。2009年4月から2017年12月の間に当院にてCMRを実施したTOF術後患者を対象とした。CMR撮影前後1年以内に行ったTTE所見と比較検討。なお、右室流出路狭窄(Vp>3m/s)がある症例やエコーでの四腔像描出が不良な患者は除外した。【結果】対象期間内にCMRを行なったTOF術後症例は89件。その中の37件で解析。年齢中央値は14.9歳(4.9-27.3歳)、男女比は24:13。RVEDViとPR fraction/RVEFは相関していたが(r=0.62/-0.69)、RVEDViとRV free wall strainには相関はなかった(r=0.20)。ただ、正常小児とTOF術後患者で比較するとRV free wall strainには有意差があった(-21.35%/-18%、p<0.01)。またRVEDViとLV average strainには相関があり(r=0.736)、CMR撮像タイミングの参考になる可能性が示唆された。なお、この結果は自己肺動脈弁輪の温存の有無には影響を受けていなかった。【結語】TOF遠隔期にRVが拡大して、再手術を考慮するような症例では、LVのstrain低下がある。CMRや手術のタイミングを考える際に、TTEでの2Dstrainは有用かもしれない。