[II-PD03-02] 心室間非同期を呈した僧帽弁閉鎖、両大血管右室起始症、総動脈幹遺残、左室低形成の低出生体重児に対する治療戦略
キーワード:総動脈幹遺残, スペックルトラッキング, 単心室
【背景】低出生体重児の複雑先天性心疾患症例では心不全コントロールが非常に難しい。肺動脈絞扼術による心不全コントロールや内科的心不全治療に難渋することもたびたび経験する。さらに心室間非同期は複雑先天性心疾患に合併するとさらに心不全を助長する。
【症例】胎児診断症例。在胎28週で当院紹介受診し、僧帽弁閉鎖、両大血管右室起始症、総動脈幹遺残、左室低形成、右側大動脈弓と診断した。在胎35週6日、1870gで出生。LVDd6.3mm(Z=-9.43)と狭小化し一心室の修復を目指す方針となった。高肺血流のため日齢4に両側肺動脈絞扼術を施行。術後、肺血流の調整は難渋し、SpO2 60%台へdesaturationが進行したため、日齢20,日齢29,日齢59に肺動脈に対してバルーン拡大術を行った。肺動脈絞扼術後、心室間非同期が出現、2Dスペックルトラッキング法では、radial strainで、左室-右室間のtime to peak differenceは202msであった。心室中隔欠損の血流も収縮期に右室から左室に向かっていた。安静時の循環は維持していたが、覚醒などの体血管抵抗増加によって。末梢循環不全に陥り、持続鎮静と人工呼吸管理からの離脱が困難であった。
体血流、肺血流を一定に保つための選択肢として Blalock-Taussig短絡シャント、右室―肺動脈シャント、心室間非同期に対してはtemporary CRT、心室中隔欠損閉鎖術を検討した。本パネルディスカッションでは、症例の治療経過の詳細を提示して、治療方法やその成否について議論を行いたい。
【症例】胎児診断症例。在胎28週で当院紹介受診し、僧帽弁閉鎖、両大血管右室起始症、総動脈幹遺残、左室低形成、右側大動脈弓と診断した。在胎35週6日、1870gで出生。LVDd6.3mm(Z=-9.43)と狭小化し一心室の修復を目指す方針となった。高肺血流のため日齢4に両側肺動脈絞扼術を施行。術後、肺血流の調整は難渋し、SpO2 60%台へdesaturationが進行したため、日齢20,日齢29,日齢59に肺動脈に対してバルーン拡大術を行った。肺動脈絞扼術後、心室間非同期が出現、2Dスペックルトラッキング法では、radial strainで、左室-右室間のtime to peak differenceは202msであった。心室中隔欠損の血流も収縮期に右室から左室に向かっていた。安静時の循環は維持していたが、覚醒などの体血管抵抗増加によって。末梢循環不全に陥り、持続鎮静と人工呼吸管理からの離脱が困難であった。
体血流、肺血流を一定に保つための選択肢として Blalock-Taussig短絡シャント、右室―肺動脈シャント、心室間非同期に対してはtemporary CRT、心室中隔欠損閉鎖術を検討した。本パネルディスカッションでは、症例の治療経過の詳細を提示して、治療方法やその成否について議論を行いたい。