[II-TR02-01] 先天性心疾患術後における鎮静評価について考える
Keywords:SBS, PICU, 鎮静評価
【背景】A病院PICUの入室患者は先天性心疾患術後であり、循環動態安定を目的に鎮静薬を使用している。平成28年度から小児鎮静評価スケールState Behavioral Scale(SBS)を導入したが、効果的な使用に至っていない。今回、SBSの観察者間評価一致率上昇と定期的にスコアリングすることで、鎮静薬を減らし過鎮静を防ぐことができるのかを検討した。【目的】SBS観察者間評価の一致率を上げ3時間毎にスコアリングすることで先天性心疾患術後患者の過鎮静を防ぎ術後早期回復支援に繋げる。【方法】勉強会とスコアリングトレーニング実施後、1)SBSの定期及び鎮静薬使用前評価時の観察者間評価(K値)で分析、2)新生児~6歳までの根治術後の追加鎮静薬の使用頻度についてデータ収集しSBS介入前後をt検定で分析、3)看護師の鎮静評価に対する意識調査を行った。【結果】1)K値は0.65で前年度より上昇した。2)術後1日目に有意差が見られた。他に有意差はなかったが、平均鎮静薬使用頻度は減少した。3)看護師の9割以上はSBSの必要性を感じている、鎮静薬使用前に児のあやしを工夫すると答え、鎮静時のアセスメントに関する意識変化がみられた。【考察】スコアリングトレーニングにより観察者間一致率は上昇した。定期的SBS評価を行ったことで看護師の鎮静に対する意識が変化し、鎮静時のアセスメントの必要性を理解したと考える。明らかな有意差はなかったものの、鎮静薬使用頻度が減少した。この取り組みを継続し、SBSを活用することは、更なる一致率の上昇、至適鎮静の保持、術後早期回復支援に繋がると考える。【結論】SBSの観察者間評価一致率は中等度だが、継続的なトレーニングにより上昇する。先天性心疾患術後患者に対し、鎮静評価スケール用いて定期的に鎮静評価することは、看護師のアセスメント力向上と術後患者の早期回復支援に繋がる。