会長要望演題03（II-YB03）
HLHSに対する一期手術 ノルウッドかハイブリッドか

[II-YB03-04] HLHSに対する一期手術、Norwoodか両側肺動脈絞扼術か

^○櫻井 寛久, 櫻井 一, 野中 利通, 杉浦 純也, 大沢 拓哉, 和田 侑星, 大橋 直樹, 西川 浩, 吉田 修一朗, 加藤 温子, 大森 大輔 (中京病院 こどもハートセンター)

キーワード：HLHS, bilateral PAB, Norwood

【目的】当院では左心低形成症候群に対して数々の経緯ののち現在は両側肺動脈絞扼術施行後のNorwood手術を標準術式としている。当院での一期的Norwoodと両側肺動脈絞扼術を行った二期的Norwoodを比較し、現在の術式での問題点について考察する。
【方法】1995年から2017年の間に、一期的Norwoodを行った症例(NWD1)と、二期的 Norwood(NWD2)を行った症例について、手術成績、術後経過について検討を後方視的に行った。今回はcombined Norwood and Glenn手術を行った8例は除外した。
【成績】62例に手術を行い、一期的Norwoodを10例に施行し、両側肺動脈絞扼術を52例に施行した。2004年以降は全例両側肺動脈絞扼術を施行した。手術成績は一期的Norwood生存 2例(20%)、 一期的Norwood群ではGlenn手術到達2例、Fontan到達1例、遠隔生存0例(0%)であった。二期的Norwood群では両側肺動脈耐術49例(94%)、二期的Norwood耐術37例(76%)、Glenn到達35例(67%)、Fontan到達21例(40%)、遠隔生存27例 (52%)であり、二期的Norwood群で成績の改善を認めた。 二期的Norwood群ではGlenn術前PA index 145±59、RpI1.6±0.8で、PA index100未満の症例も5例認めた。TCPC術後はCVP 12.6 ±4.0で全例NYHA2度以下で経過している。
【結語】当院では二期的Norwood手術で良好な成績を得た。しかし二期的Norwood群では肺血管抵抗は良好であったが、両側肺動脈絞扼術後の肺動脈の成長に難渋する症例もあり、一期的Norwood手術を行うことによりよりより肺動脈の成長が得られるのか検討している。