[II-YB05-01] Fontan手術適応決定のための新たな指標:造影CTによる肺血管容積と肺血管コンプライアンス
Keywords:Fontan手術, 肺循環, 肺血管コンプライアンス
【背景と目的】肺駆動心室欠如を特徴とするFontan手術適応決定には、肺循環指標(肺血管抵抗と肺血管コンプライアンス)が重要である。CT画像から得られた肺血管容積に基づく肺血管コンプライアンスが新たなFontan手術適応決定のための指標となるかどうかを検討した。
【方法】Fontan手術前評価(全例Glenn術後)として造影CT検査と心臓カテーテル検査を42例(男23例)に行った。画像解析ソフトVirtual Place RaijinTM(AZE社)を用いてCT画像より算出した肺血管容積を体表面積補正したものを肺血管容積指数(ml/m2)として、それを(肺動脈平均圧)-(肺静脈圧または左房圧)(transpulmonary pressure,TPP)で除した値を肺血管コンプライアンス(Cp)とし、通常の方法で求めた肺血管抵抗(Rp)との関連性およびFontan術後の血行動態と比較検討した。
【結果】Fontan術前評価時年齢3.1(2.6-3.9)歳、肺血流量2.67(2.40-3.10)L/min/m2、肺動脈平均圧 8(7-9)mmHg、TPP 4(3-5)mmHg、PA index 199(171-263)mm2/m2であった。肺血管容積指数は31.2(22.6-36.6)ml/m2であり、PA indexと相関はなかった。Rp 1.57(1.29-1.82)Wood単位・m2に対して、Cp 7.78(5.58-11.44)ml/mmHg/m2であり、CpはRpと反比例関係であった(r=-0.47)。またFontan術後(全例心外導管・開窓なし)の血行動態は、CVP10(9-11)mmHg、心係数3.98(3.37-4.37)L/min/m2、入院期間33(28-40)日であった。Cpは術後心係数(r=0.40)および入院期間(r=-0.43)と関連していたが、他の術前因子との関連はみられなかった。
【結論】肺血管容積から算出された肺血管コンプライアンスはFontan術後の血行動態を反映し、Fontan手術適応決定のための有用な因子となる。
【方法】Fontan手術前評価(全例Glenn術後)として造影CT検査と心臓カテーテル検査を42例(男23例)に行った。画像解析ソフトVirtual Place RaijinTM(AZE社)を用いてCT画像より算出した肺血管容積を体表面積補正したものを肺血管容積指数(ml/m2)として、それを(肺動脈平均圧)-(肺静脈圧または左房圧)(transpulmonary pressure,TPP)で除した値を肺血管コンプライアンス(Cp)とし、通常の方法で求めた肺血管抵抗(Rp)との関連性およびFontan術後の血行動態と比較検討した。
【結果】Fontan術前評価時年齢3.1(2.6-3.9)歳、肺血流量2.67(2.40-3.10)L/min/m2、肺動脈平均圧 8(7-9)mmHg、TPP 4(3-5)mmHg、PA index 199(171-263)mm2/m2であった。肺血管容積指数は31.2(22.6-36.6)ml/m2であり、PA indexと相関はなかった。Rp 1.57(1.29-1.82)Wood単位・m2に対して、Cp 7.78(5.58-11.44)ml/mmHg/m2であり、CpはRpと反比例関係であった(r=-0.47)。またFontan術後(全例心外導管・開窓なし)の血行動態は、CVP10(9-11)mmHg、心係数3.98(3.37-4.37)L/min/m2、入院期間33(28-40)日であった。Cpは術後心係数(r=0.40)および入院期間(r=-0.43)と関連していたが、他の術前因子との関連はみられなかった。
【結論】肺血管容積から算出された肺血管コンプライアンスはFontan術後の血行動態を反映し、Fontan手術適応決定のための有用な因子となる。