[II-YB05-05] 現在における診断心臓カテーテル検査・心血管造影検査の役割
Keywords:診断カテーテル, 画像診断, 造影CT
(背景)画像診断の飛躍的な進歩により、診断カテーテルを実施する割合は減少している。一方、カテーテル検査でしか評価できない項目も依然存在する。(目的)多くの診断モダリティーが利用可能な現在における、診断カテーテルの役割について検討すること。(対象と方法)当院にて診断心臓カテーテル検査・心血管造影検査(以下診断カテ)を実施した症例のうち、造影CTが治療方針決定に普及する前の3年間(1995-1997年:前期)と最近の3年間(2015-2017年:後期)において検査を実施した例を対象とした。前期・後期において、診断カテ実施数と全カテーテルに占める割合、診断カテを行った症例の基礎疾患、主な評価目的を比較した。また、後期において診断カテなしで手術を行った症例の基礎疾患、主な診断モダリティー、術式を検討した。(結果)1)診断カテ実施数とその占める割合は、前期572(81%)後期441(66%)。2)診断カテを行った症例の基礎疾患(前期/後期)はVSD87/53、ASD73/23、DORV24/37、AVSD24/31 、CoA・IAA18/4 、TOF113/90 、UVH121/87、TGA35/23、TAPVD10/3、川崎病25/12、その他42/78。3)診断カテの主な評価目的(前期/後期)は修復術前248/155、修復術後124/153、BT前32/3、PAB前8/2、BDG前・TCPC前後106/83、橈骨動脈よりの逆行性大動脈造影17/0、その他37/45。4)後期において診断カテなしで手術を行った症例は172例。基礎疾患は、VSD59、ASD40、CoA・IAA20、TOF12、PDA7、UVH6、その他28。主な診断モダリティーはUCGのみ33、UCG+造影CT119、UCG+MRI 20。術式はICR97、PAB26、BT18、bil-PAB10、arch repair7、その他14であった。(結語)形態診断が中心の症例は、心エコーや造影CT、MRIで評価可能であり診断カテーテルの意義は薄れている。右心バイパス症例や術後を含めた肺高血圧の評価には依然カテーテル検査は必須である。