[II-YB05-04] 主要体肺側副血行(MAPCA)の治療戦略におけるカテーテル診断の意義
Keywords:MAPCAs, カテーテル検査, 先天性心疾患
【背景】現在主要体肺側副血行(MAPCA)に対しては3D-CTで位置や形態的評価ができ、CTは空間的な分解能が高い一方、カテーテル検査は圧・肺血管抵抗・血流の評価をreal timeで行うことができる点で欠かせない。そのため当院では造影CT検査施行後、全例心臓血管カテーテル検査を施行している。【目的・方法】2008年1月から2017年12月までの期間で、当院でMAPCAのカテーテル検査の現状について検討した。【結果】当院でMAPCAに対して評価カテーテル検査を施行したのは39症例だった。PA/VSD(DORV/PA) 22例、Asplenia 8例、TOF(DORV/PS) 6例、PTA3例だった。染色体異常の合併は、22q11.2delが9例、6p trisomyが1例だった。Pressure Wireや2.7Frハイフロータイプのマイクロカテーテルを用いて、全てのMAPCAに対してpressure studyを施行し、その後全てのMAPCAで造影を行い、血管狭窄の有無や、negative jet など造影パターンから血管の交通・供給源の評価を行った。2心室修復症例についてはMAPCAの処理は肺血管床の成長を目指す点で重要で、圧・交通の評価を行うことでUFが可能か、必要かどうかの手術適応評価となった。一方、単心室症例ではより肺血流量・圧について詳細な検討が行われ、MAPCA交通がある場合にはBalloon occlusion testを行い、肺動脈圧やSpO2の変動を評価し、どの血管がプロテクトされているかどうか、UF後やMAPCA ligationの術後経過を予測した。カテーテル検査後はMAPCAの図示化を行い外科医に提示して次期手術のstrategyを決定した。【結語】近年様々な画像評価が確立しているが、MAPCAのカテーテル検査は手術方針決定において重要な役割を担っている。