The 54th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

会長要望演題

会長要望演題05(II-YB05)
Multi-imaging modalities時代の診断カテーテルの役割

Fri. Jul 6, 2018 10:20 AM - 11:10 AM 第5会場 (304)

座長:金 成海(静岡県立こども病院 循環器科)
座長:藤井 隆成(昭和大学病院 小児循環器・成人先天性心疾患センター)

[II-YB05-03] 両方向性グレン術後患者では肺動脈壁vasa vasorumが増生する ; Optical coherence tomography (OCT)による観察

本間 友佳子, 早渕 康信, 小野 朱美, 香美 祥二 (徳島大学病院小児科)

Keywords:Optical Coherence Tomography, Vasa vasorum, 両方向性グレン術

【背景】両方向性グレン(BDG)術後患者における体肺側副血管はFontan手術施行の段階において大きな問題となる。肺血流量低下や低酸素血症を呈する状態では、体肺側副血管およびvasa vasorum(VV)が増生することが報告されており、同病態がBDG術後患者にも関係している可能性が考えられる。さらに、VVは体循環血管と同様に肺血管リモデリングにも関与していることが知られている。【目的】BDG術後患者における肺血管病態(肺動脈壁厚·VV増生)をOptical coherence tomography (OCT)を用いて検討する。【方法】OCTを用いて、BDG術後患者(BDG群)8例(1.3 ± 0.3歳)、年齢を合わせた正常肺動脈圧症例(Control群)20例(1.4 ± 0.3歳)の肺動脈壁厚(内中膜厚)および血管外膜におけるVVの面積率(VV area ratio)を血管径2.0-2.5mmの肺動脈において計測した。【結果】肺血管壁厚においては両群間で有意差は無かった (0.12 ± 0.03 mm vs. 0.12 ± 0.02 mm)。VV area ratio はBDG群において有意に高かった(14.5 ± 3.5% vs. 5.3 ± 1.6 %, p<0.0001) 。【考察】VVの増生は低酸素血症、体肺側副血管の発達などが影響している可能性がある。将来的な血管リモデリングや血管機能の予後を考慮する上で、このような形態的な変化の観察は有用である可能性がある。【結語】BDG術後患者では肺動脈外膜にVVの増生が認められる。Fontan術後の血行動態や将来的な肺血管機能への影響の検討が必要であると考えられる。