[III-EL04-02] DORVの3D画像診断
キーワード:両大血管右室起始症, 画像診断, 3D
いつもDORVの外科治療を考える際,私たち循環器科医の思考順序とは概ね次の2段階を経るのではなかろうか.
1) Biventricular repair(BVR)できるのか,Fontan candidateか
2) BVRできるとしたらどのように修復できるのか
1)についてはまず心室容積や房室弁でふるいにかけられるだろう.解決のめどが立てば2)を考えるが,このDORVのBVRについて苦手意識を持っている人が実に多い。理解しにくいのは次のような理由と推測される.
A) DORV自体を1つの疾患群とする概念と心室大血管の1つの関係を示すという2通りの考えがある
B) Spectrumが広く分類が多岐にわたる
C) 疾患構成単位にTaussig-Bing, posterior TGA等独特の呼称がある
D) 術式に富み分類と1:1対応していない
ここでは3D imagingの強みを最大限活かして理解することを目的に,BVR可能ないわゆるDORVという疾患単位を,Lecompeらの”malposition of the great arteries with VSD”というspectrumとして考えてみたい.そうすれば,BVR可否に必要な条件はTOFからTGAまでいずれであっても十分な広さの左室流出路作成とVSD(心室間シャント)閉鎖が可能か否か,という点に集約される.
選択しうる術式を念頭においた上ではあるが(心室内rerouting+肺血流路確保(Yasui手術含む)もしくはArterial switch + VSD closureの2群に大別),3D imagingは従来の2Dと異なり,この修復に不可欠なVSDと大動脈との位置関係,VSD-大動脈routeに対する三尖弁・肺動脈弁の位置関係,同routeに介在する心内構造物の有無,大動脈・肺動脈弁下弁上の形態,房室弁形態及び腱索の付着部位,冠動脈走行などを立体的かつ直感的に表現することが可能である.modalityとして心エコ-, CT, MRI, Rotational angiographyが挙げられ,装置および再構築ソフトウエアの進歩も著しい.ここではLev分類に基づいた代表的なDORV形態を3D imageを含めた術前予測,そして術中所見,術後経過について可能な限り提示したい.
1) Biventricular repair(BVR)できるのか,Fontan candidateか
2) BVRできるとしたらどのように修復できるのか
1)についてはまず心室容積や房室弁でふるいにかけられるだろう.解決のめどが立てば2)を考えるが,このDORVのBVRについて苦手意識を持っている人が実に多い。理解しにくいのは次のような理由と推測される.
A) DORV自体を1つの疾患群とする概念と心室大血管の1つの関係を示すという2通りの考えがある
B) Spectrumが広く分類が多岐にわたる
C) 疾患構成単位にTaussig-Bing, posterior TGA等独特の呼称がある
D) 術式に富み分類と1:1対応していない
ここでは3D imagingの強みを最大限活かして理解することを目的に,BVR可能ないわゆるDORVという疾患単位を,Lecompeらの”malposition of the great arteries with VSD”というspectrumとして考えてみたい.そうすれば,BVR可否に必要な条件はTOFからTGAまでいずれであっても十分な広さの左室流出路作成とVSD(心室間シャント)閉鎖が可能か否か,という点に集約される.
選択しうる術式を念頭においた上ではあるが(心室内rerouting+肺血流路確保(Yasui手術含む)もしくはArterial switch + VSD closureの2群に大別),3D imagingは従来の2Dと異なり,この修復に不可欠なVSDと大動脈との位置関係,VSD-大動脈routeに対する三尖弁・肺動脈弁の位置関係,同routeに介在する心内構造物の有無,大動脈・肺動脈弁下弁上の形態,房室弁形態及び腱索の付着部位,冠動脈走行などを立体的かつ直感的に表現することが可能である.modalityとして心エコ-, CT, MRI, Rotational angiographyが挙げられ,装置および再構築ソフトウエアの進歩も著しい.ここではLev分類に基づいた代表的なDORV形態を3D imageを含めた術前予測,そして術中所見,術後経過について可能な限り提示したい.