The 54th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

ミニオーラルセッション

電気生理学・不整脈

ミニオーラルセッション13(III-MOR13)
電気生理学・不整脈 2

Sat. Jul 7, 2018 9:00 AM - 9:42 AM ミニオーラル 第1会場 (311)

座長:竹内 大二(東京女子医科大学病院 循環器小児科)

[III-MOR13-03] 先天性房室ブロックの予後

若宮 卓也, 野木森 宜嗣, 加藤 昭生, 佐藤 一寿, 北川 陽介, 小野 晋, 金 基成, 柳 貞光, 上田 秀明 (神奈川県立こども医療センター 循環器内科)

Keywords:完全房室ブロック, ペースメーカー, 予後

【背景】先天性房室ブロック(CAVB)は、出生直後からpacemaker植込み(PMI)が必要な症例から、PMIを回避し洞調律に回復する症例もある.またPMI後の合併症や、心筋症合併の報告も散見され、その臨床経過は一様でない. 【目的】CAVBの中長期予後を明らかにすること.【対象・方法】1982年から2014年の22年間に当院でCAVBと診断した21例を対象とした.【結果】平均在胎36週4日(31週6日~40週0日)、平均体重2571g(1470~3290g)、出生時の平均心拍66 bpm(30~110拍)、胎児水腫2例(10%)、出生時心不全7例(33%)であった.PMIが出生直後には7例、遠隔期5例、未施行9例であった. 出生直後にPMI例は全例temporary pacing wireを使用し、2期的にPMIとした.初期設定はVVIが4例、VDDが1例、pacing wireが穿破した1例と多脾症の1例は心機能低下がありDDDの設定.合併症は創部・リード感染1例、腹腔内陥没2例、リード断線3例、心室穿破1例だった.心筋症合併は3例で全例PMI施行後に発症、うち死亡例は1例.遠隔期のPMI例は植え込み時期が3か月~5歳1か月、植え込み理由は心不全3例、失神1例、待機例1例.初期設定は心不全例にはDDD、それ以外にはVVI.PMIの症例の現在の設定はVVI 7例VDD1例、DDD3例.PMI未施行の9例中8例は心不全がなく、心不全があった1例も心拍は80bpmあったためPMI施行せず.現時点での心電図は、5例はCAVB、補充調律が1例、1度AVBが1例、2度AVB(Wenckebach)が2例.Holter心電図では総心拍数の平均値81860拍(63310~129592拍)、平均心拍数の平均値57bpm(44~90bpm)であった.運動負荷試験が可能な3例は呼気ガス分析を行いpeakVO2は平均値33.3ml/kg/min(26.9~38.7ml/kg/min)であり軽度低下していた.【考察】内科治療のみで経過観察可能な例もあるが、心不全の進行や失神を認める場合はもちろんであるが、運動対応能も測定し、患者のライフワークに合わせた治療戦略が必要である.