The 54th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ミニオーラルセッション

電気生理学・不整脈

ミニオーラルセッション13(III-MOR13)
電気生理学・不整脈 2

Sat. Jul 7, 2018 9:00 AM - 9:42 AM ミニオーラル 第1会場 (311)

座長:竹内 大二(東京女子医科大学病院 循環器小児科)

[III-MOR13-04] 単心室修復症例における心臓再同期療法についての検討

吉田 修一朗1, 佐藤 純1, 吉井 公浩1, 大森 大輔1, 加藤 温子1, 武田 紹1, 西川 浩1, 大橋 直樹1, 櫻井 寛久2, 野中 利通2, 櫻井 一2 (1.中京病院 中京こどもハートセンター 小児循環器科, 2.中京病院 中京こどもハートセンター 心臓血管外科)

Keywords:単心室修復, 心不全, CRT

【目的】単心室修復症例におけるCRTの効果についての検討【方法】当院では基本QRS幅130ms以上で心室機能低下症例にCRTを検討している。2005年から2017年までに当院で施行されたCRTのうち単心室修復症例5症例を後方視的に調査した。基礎心疾患(体心室形態)、植え込み時年齢、植え込み方法、QRS幅、CTR、BNP、EF、BNP、NYHAについて調査した。CTR5%以上減少、NYHAの改善のいずれかを認めたものを有効と判断した。【結果】対象5例中、体心室形態が右室4例、左室1例であった。植え込み時の年齢、フォロー期間は中央値でそれぞれ3.6(0.5-29.3)歳、3.4(2.1-12.1)年であった。植え込み方法は全例開胸下で施行。事前にペースメーカーが入っていた症例が1例、他の手術と同時施行4例(TCPC転換術2例、TCPC術1例、肺静脈狭窄解除1例)であった。QRS幅、BNP、CTRは治療前後で中央値160(135-184)→120(91-170)ms、985(325-2120)→233(62.2-940)pg/ml、60(53-66)→56(48-66)と低下傾向であった。EFは治療前後で40(20-45)→42(21-53)%と軽度上昇していた。NYHA分類は4例で改善を認めた。有効症例は4例(80%)であった。【考察】今回のCRT施行症例のうち心室間非同期がはっきりしていた2症例では、両心室にリードを留置し著明に効果があった。それ以外の3症例は単心室内非同期症例と判断し心尖部と基部にリードを留置しCRTを施行したが、1例無効症例も認めた。基礎疾患による影響と考えているが、適応の有無、リード位置などの方法につき更なる検討を要すと思われる。また今回の症例は他の手術と同時施行例が4例と大半を占めた。そのため検査結果、NYHAの改善にCRT以外の手術の影響が入っている可能性はありえる。【結論】単心室修復症例でもCRTは有効である。今後症例数を増加して検討したい。