The 54th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ミニオーラルセッション

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ミニオーラルセッション15(III-MOR15)
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Sat. Jul 7, 2018 9:00 AM - 9:35 AM ミニオーラル 第2会場 (312)

座長:富松 宏文(東京女子医科大学心臓病センター 循環器小児科)

[III-MOR15-04] 3Dエコーによる下大静脈の測定を用いた小児の中心静脈圧の推定

中村 太地, 安河内 聰, 瀧聞 浄宏, 武井 黄太, 内海 雅史, 川村 順平, 浮網 聖実, 前澤 身江子 (長野県立こども病院循環器小児科)

Keywords:中心静脈圧, 下大静脈, 3Dエコー

【背景】中心静脈圧(CVP)は、全身循環状態の評価のために重要である。成人では心エコーによる下大静脈(IVC)径とCVPの相関が知られているが、血管のコンプライアンスが高い小児においては確立した計測法はまだない。【目的】小児術後患者におけるCVP推定のための、心エコーによるIVC計測法について検討すること。【対象と方法】心疾患患者26例(年齢の中央値10ヶ月、男:女:10:16)。陽圧換気完全調節呼吸下に仰臥位で、観血的CVPと同時に心エコーによるIVC計測を施行して解析。診断装置はPhilips社EPICを使用。IVCの肝静脈合流近位部と遠位部それぞれで矢状長軸断面における最大径と最小径および変化率(最大径-最小径/最大径)、3Dエコー画像から描出した短軸断面における短径(SD)と長径(LD)およびその比(S/L)、IVC断面積を計測し、観血的CVPと比較した。各計測値は体表面積の補正を使用。【結果】検査施行時のCVP6±2mmHg、PEEP3.7±2.1mmHg。最もよく相関したのは3Dエコーから測定した肝静脈合流近位部におけるS/L(r=0.83, p<0.001)で、同様にSDも良好な相関を認めた(r=0.55, p<0.01)。CVP≧8mmHgを陽性とした場合のROC曲線のAUCはそれぞれ0.96, 0.83だった。肝静脈合流遠位部における長軸断面の最小径 (r=0.4, p<0.05)、変化率(r=-0.4, p<0.05) も弱く相関したが、その他の項目はいずれも相関しなかった。また肝静脈合流近位部における2Dエコーによる短軸断面(n=8)と3Dエコー短軸断面(n=8)から求めたSD(r=1, p<0.001), S/L(r=0.81, p=0.02)はいずれも良好な相関を認めた。【結論】陽圧換気下の小児においては、従来の矢状断面のIVC計測とCVPの相関は悪く、正確なCVP推定には3Dエコーで描出した肝静脈合流近位部IVC短軸像のS/LおよびSDが有用である。