第54回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

一般口演

胎児心臓病学

一般口演39(III-OR39)
胎児心臓病学

2018年7月7日(土) 14:00 〜 14:50 第5会場 (304)

座長:稲村 昇(近畿大学医学部 小児科)
座長:川滝 元良(神奈川県立こども医療センター 循環器内科)

[III-OR39-04] レベルII 胎児心臓超音波検査 オンライン多施設間全国登録について

瀧聞 浄宏1,2, 池田 智明1,3, 武井 黄大1,2, 加地 剛1,4, 河津 由紀子1,5, 川崎 有希1,6, 稲村 昇1,7 (1.日本胎児心臓病学会 総務委員会, 2.長野県立こども病院 循環器小児科, 3.三重大学 産科婦人科, 4.徳島大学 産科婦人科, 5.市立豊中病院 小児科, 6.大阪市立総合医療センター 小児循環器科, 7.近畿大学 小児科)

キーワード:日本胎児心臓病学会, 胎児心エコー, 胎児心エコー登録

【目的】学会が主体となって行っているレベルII胎児心臓超音波検査の多施設間オンライン登録を解析、報告する。【対象と方法】2004年10月1日より2017年12月31日に登録されたレベル(II)胎児心臓超音波検査45370件。胎児心臓専門施設 47施設。経年変化数、各県の登録数、疾患分類別の検査割合等を調べて解析した。【結果】経年的に登録は増加、2009年頃まで1500-2000件前後だったものが近年は5000-10000件に登り(2017年は10810件)、疾患分類では先天性心疾患が16649件47%、正常が34%、不整脈が6%、心外異常9%で経年的な変化はない。各県の登録数は、大都市圏の東京、大阪と長野がそれぞれトップスリーで7163、5827、2798件だが、50件に満たない県は6県のみとなった。先天性心疾患の内訳では、VSD2898件、SRV884件、SLV 218件、DORV2114件、HLHS1588件、AVSD1618件、TOF1750件で、四腔断面の異常を示すものが多いのが特徴であった。しかし、dTGA943件(5.6%)、Simple CoA633件、IAA312件と診断が難しいとされるものでは少なく、TAPVCはわずか136件(0.8%)であった。経年的にdTGA, CoAの件数は増加,TAPVCは横ばいは変わらない。不整脈についてはPAC1113件、完全房室ブロック317件等であった。【結語】登録は認証医制度設立以後、著明な増加に転じた。今後は、レベルIIの精度の維持および向上に向けて努力する必要がある。