[P12-03] 小児の左房ストレインは左室心筋肥大と関連する
Keywords:左室拡張能, 左房機能, 左室心筋肥大
【背景】
左房ストレインは成人において左室拡張機能の指標として有効性が示されているが、小児の左房ストレインの臨床応用に関する報告は少ない。
【目的】
小児の左房ストレインに影響を与える因子を明らかにすること。
【対象と方法】
心奇形(冠動脈奇形は除く)がなく、かつbiplane Simpson法で求めた左室駆出率(LVEF)が45%以上であった18歳未満の小児40例(うち男児19例)の心エコー検査を対象とした。被験者には、左冠動脈肺動脈起始症の術後2例、心筋症や心筋炎の既往のある者4例、膠原病5例、慢性腎不全2例、化学療法歴のある者2例が含まれていた。EchoPACによるオフライン解析を行い、心尖部四腔断面像から収縮期の最大左房ストレインを算出した。左室心筋肥大は、身長で標準化した左室心筋重量(LV mass index)>45 g/m2.16もしくは左室壁厚/内径比(RWT)>0.42と定義した。
【結果】
被験者の年齢は9.1 (3.0~16.8)歳、身長は125.6 (87.2~176.8) cm、心拍数は毎分85 (60~115)、LVEF 60 (48~70)%、僧帽弁早期流入血流速度/中隔側僧帽弁輪運動速度比 (E/Em) 8.6 (5.5~16.0)であった。NYHA心機能分類は全例がClass 1であった。LV mass indexは41.0 (18.9~89.8) g/m2.16、RWT 0.37 (0.29~0.53)であり、17例が左室心筋肥大の基準を満たした。左房ストレインは40.5(12.4~60.4)%であり、左房ストレインと有意な相関を認めたのはLV mass index (r=-0.42、p<0.01)、RWT (r=-0.35、p<0.05)、年齢 (r=-0.32、p<0.05)であった。LVEFや心拍数、E/Emは、左房ストレインとの間に有意な相関を認めなかった。
【考察】
左室心筋肥大は、拡張障害を呈する不全心の構造的特徴の一つである。小児の左房ストレインは左室心筋肥大と関連しており、E/Emよりも鋭敏に左室拡張障害を検出できる可能性がある。
左房ストレインは成人において左室拡張機能の指標として有効性が示されているが、小児の左房ストレインの臨床応用に関する報告は少ない。
【目的】
小児の左房ストレインに影響を与える因子を明らかにすること。
【対象と方法】
心奇形(冠動脈奇形は除く)がなく、かつbiplane Simpson法で求めた左室駆出率(LVEF)が45%以上であった18歳未満の小児40例(うち男児19例)の心エコー検査を対象とした。被験者には、左冠動脈肺動脈起始症の術後2例、心筋症や心筋炎の既往のある者4例、膠原病5例、慢性腎不全2例、化学療法歴のある者2例が含まれていた。EchoPACによるオフライン解析を行い、心尖部四腔断面像から収縮期の最大左房ストレインを算出した。左室心筋肥大は、身長で標準化した左室心筋重量(LV mass index)>45 g/m2.16もしくは左室壁厚/内径比(RWT)>0.42と定義した。
【結果】
被験者の年齢は9.1 (3.0~16.8)歳、身長は125.6 (87.2~176.8) cm、心拍数は毎分85 (60~115)、LVEF 60 (48~70)%、僧帽弁早期流入血流速度/中隔側僧帽弁輪運動速度比 (E/Em) 8.6 (5.5~16.0)であった。NYHA心機能分類は全例がClass 1であった。LV mass indexは41.0 (18.9~89.8) g/m2.16、RWT 0.37 (0.29~0.53)であり、17例が左室心筋肥大の基準を満たした。左房ストレインは40.5(12.4~60.4)%であり、左房ストレインと有意な相関を認めたのはLV mass index (r=-0.42、p<0.01)、RWT (r=-0.35、p<0.05)、年齢 (r=-0.32、p<0.05)であった。LVEFや心拍数、E/Emは、左房ストレインとの間に有意な相関を認めなかった。
【考察】
左室心筋肥大は、拡張障害を呈する不全心の構造的特徴の一つである。小児の左房ストレインは左室心筋肥大と関連しており、E/Emよりも鋭敏に左室拡張障害を検出できる可能性がある。