The 54th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスターセッション

電気生理学・不整脈

ポスターセッション20(P20)
電気生理学・不整脈 2

Thu. Jul 5, 2018 6:00 PM - 7:00 PM ポスター会場 (311+312+313+315)

座長:青木 寿明(大阪母子医療センター)

[P20-02] RYR2変異症例の様々な表現型

渡部 誠一, 渡邉 友博, 中村 蓉子, 松村 雄 (土浦協同病院小児科)

Keywords:RYR2, CPVT, LQT

【緒言】当初、DCMやQT延長症候群(LQT)を疑ったが、思春期頃から運動時VPCを認めるようになり、RYR2遺伝子変異を認めた2症例を報告する。【症例1】現在17歳6か月、女性。初診生後7か月、発熱・頻脈あり、左胸部誘導R増高、ST低下、T波陰転、DCM様病態(CTR=69%、LVDd=45mm、EF=27%、BNP=261pg/ml)を認め、ステロイド薬が有効で、7ヶ月間の治療後にACE阻害薬とジゴキシン内服で退院した。ACE阻害薬のみ継続して経過観察していたところ、6歳QTc=460、10歳QTc=512、12歳QTc=518、ホルターmaxQTc=524、アドレナリン負荷でQT延長し、15歳失神1回(急いで歩いていて)、Schwartz5点で、LQTと診断した。遺伝子検査でRYR2 missense変異: p.Arg1614Cys。16歳マスター負荷でVPC出現、トレッドミル負荷陰性、17歳ホルターVPC二連発、右室拡大なし、左心機能正常。運動制限D禁、ベータ遮断薬を検討中である。【症例2】現在12歳3か月、男。熱性けいれんを8歳まで繰り返すため、心電図チェックしQT延長を認めて循環器外来紹介となった(初診8歳5か月)。軽度知的障害あり。QTc=458、V2-3notchあり、ホルターmaxQTc=556 夜間にQT延長、VPC単発、Schwartz4点でLQTを疑った。トレッドミル異常なし、アドレナリン負荷試験陰性で、その時は遺伝子検査の同意を得られず。11歳1か月ホルターmaxQTc=538、登校時にVPC二連発あり。トレッドミル再検でVPC著明に増加、遺伝子検査の承諾を得られRYR2 nonsense変異: p.Leu3340Terを認めた。管理D禁、ベータ遮断薬開始。【考察】症例1はDCMとLQT、症例2はLQTの所見を示したが、それぞれ15歳、11歳時に運動時VPCが出現するようになり、RYR2変異を認め、CPVTの可能性が出てきた。症例1のp.Arg1614CysはDCMの報告がある。症例2のp.Leu3340Terは機能低下型でCPVTとは異なる可能性もある。【結語】RyR2変異は多様な病態を示し、表現型が変化することがあると思われた。