[P25-02] 新生児期および乳児早期の心室中隔欠損を伴った肺動脈閉鎖症に対する一期的心内修復術の右心機能に対する影響
Keywords:PAVSD, 一期的心内修復術, 右心機能
【緒言】心室中隔欠損を伴った肺動脈閉鎖症(pulmonary atresia and ventricular septal defect : PAVSD)に対して、近年では一期的心内修復術を行っている報告も散見され、周術期には良好な成績が得られている。【目的】PAVSDに対する一期的心内修復術の右心機能への影響を明らかにする。【方法】当院で2012年以降に一期的心内修復術を行ったPAVSD症例を対象として、電子カルテを用いて後方視的に検討した。【結果】対象となった症例は6例。術後の観察期間は中央値12.5ヵ月間(2-61)、死亡例なし。手術時日齢の中央値は58(12-87)、手術時体重の中央値は3,485 g(2186-4000)であった。心内修復術における右室流出路形成に関してRasteli導管を用いた症例が3例、transannular patchを用いた症例が3例であった。術後のICU滞在期間は中央値が16日間(9-22)、退院時の心臓超音波検査では三尖弁輪収縮期移動距離(tricuspid annular plane systolic excursion : TAPSE) の中央値は6.25 mm(4.6-8.2) でありの年齢で補正したZvalueの中央値は-3.6(-4.7 - -2.2)、右室拡張末期径(RVIDd) の中央値は11.75 mm(8.7-15.4)であり体表面積で補正したZvalueの中央値は1.4(+0.1 - +3.2)、右室流出路の最高血流速度が4 m/sec以上の症例はなし、中等度以上肺動脈弁逆流のある症例は5例。観察期間内で直近の心臓超音波検査ではTAPSEのZvalueの中央値は-3.0(-6.3 - +1.4)、RVIDdのZvalueの中央値は+3.7(0 - +5.6)であった。右室流出路の最高血流速度が4 m/sec以上を認めた症例が1例で、その症例はバルーン拡張術を行われている。中等度以上の肺動脈弁逆流を認める症例は5例で逆流に関しての介入がなされた症例はなかった。【結語】死亡例はなく、介入を要した右室流出路狭窄は1例であったが、中等度以上の肺動脈弁逆流は83%に認められており右心系の拡大が目立っていた。より慎重に肺動脈弁逆流・右室容量のfollowが必要である。