The 54th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスターセッション

川崎病・冠動脈・血管

ポスターセッション33(P33)
川崎病・冠動脈・血管 2

Fri. Jul 6, 2018 6:00 PM - 7:00 PM ポスター会場 (311+312+313+315)

座長:勝部 康弘(日本医科大学武蔵小杉病院 小児科)

[P33-05] 秋田県における川崎病急性期治療の現状:秋田県小児膠原病研究会の調査より

畠山 美穂, 田村 真通 (秋田赤十字病院 小児科)

Keywords:川崎病, ステロイド, プロトコール診療

【はじめに】川崎病急性期の治療目標は心臓後遺症を防ぐことである。RAISE studyの発表以降、全国的に急性期ステロイド治療は増加しているが、秋田県内の医療機関での実態は不明であった。【目的】秋田県での川崎病急性期治療の実態を調査し、その問題点を把握する。【方法】小児科入院病床をもつ県内の全医療機関に、川崎病急性期治療と不応例の対応についてのアンケートを依頼した。【結果】20施設中19施設から回答が得られ、17施設が急性期治療を自施設で行っていた。治療法を、(1)アスピリン+IVIG、(2)RAISE studyを含めステロイド併用を考慮、(3)アスピリンの先行投与後IVIGを考慮、に分けて診断基準別に調査した。施設数はそれぞれ、確実Aは(1)6、(2)9、(3)2、確実Bは(1)9、(2)7、(3)1、不全型は(1)5、(2)7、(3)5だった。初回治療において診断基準に関わらずステロイドを考慮するのは5施設、ステロイドを使用しないのは8施設であった。不応例に対し2回目の治療を行うのは15施設で、全てでIVIGを投与するという回答だった。初回・2回目ともにステロイドを考慮するのは3施設、2回目のみステロイドを考慮するのは1施設であった。一方、初回のみステロイドを考慮するのは6施設であった。3回目の治療を行うのは8施設で、IVIGのみが2施設、ステロイド併用が1施設、ステロイドパルスが2施設、Infliximabが3施設であった。4回目以降も治療を行うのは2施設のみだった。【考察】症例数、高次医療機関ともに少ない地方では、施設間の診療のばらつきが大きく、それが予後に影響すると思われる。実際、3回目の治療およびステロイド投与に関しては一定の決まりがない施設が多かった。幸い近年、秋田県では重篤な合併症はないが、治療を各施設に委ねる現状況ではそのリスクは少なくない。今後、極力一定のプロトコールに従い治療を進めることが、将来的に心臓後遺症を減らすことへの期待につながる。