[P34-04] “最大径に対して最小径が小さい”動脈管はAmplatzer duct occluderで伸展しやすい
Keywords:動脈管開存, ADO, 伸展
【背景】大動脈造影の計測により選択したデバイスが、留置時に脱落しサイズアップを余儀なくされる症例をときに経験する。我々はAmplatzer duct occluder (ADO) 留置翌日の胸部写真から、管長に対して細い動脈管が進展しやすいことを報告した(第29回JPIC)。【目的】ADOによる動脈管の伸展率と膨大部径の関係を明らかにする。【方法】対象は2011年から2017年まで当院でADOを留置した45例(0.8~76中央値2.6歳)。造影計測した動脈管最小径と留置翌日の胸部X線写真側面像で計測したADO最小径の差の動脈管最小径に対する百分率を伸展率とした。動脈管膨大部最大径およびQp/Qsと伸展率を回帰分析した。【結果】動脈管最小径は1.4~6.9(平均2.6)mm、膨大部径は5.5~17.0(平均10.9)mmで、留置したADOはそれぞれ5/4が3例、6/4が7例、8/6が29例、10/8が5例、12/10が1例であった。翌日のADO最小径は2.8~7.3(平均4.5)mmで動脈管最小径と正相関した。動脈管伸展率は-7~179(平均84)%で、動脈管最小径と負の相関を示した(R=0.64, F<0.001)。膨大部径は伸展率と緩やかな負の相関を示したが有意ではなく(R=0.27, F=0.08)、膨大部径に対する最小径の比は0.1~0.5(平均0.2)で伸展率と有意な負の相関を示した(R=0.55, F<0.001)。Qp/Qsは1.0~2.8(平均1.6)で伸展率と緩やかな負の相関を認めた(R=0.36, F=0.014)。【考察】経皮的動脈管閉鎖術では最小径によってデバイス候補を絞り込み、管長と膨大部径で最終決定することが多いと思われる。最小径に比し管長、膨大部径が大きい動脈管は伸展しやすく、複数候補がある場合には大きい方を選択するのが有利と考えられた。