[P34-06] PDAに対するAmplatzer Vascular Plug II (AVP II) を用いた閉鎖術 - 長いPDAに対する適切なデバイスサイズ選択 -
Keywords:PDA, Amplatzer Duct Occluder, Amplatzer Vascular Plug
【背景】Amplatzer Duct Occluder(ADO)が導入され、PDAに対するカテーテル治療の適応が拡大し、PDAの太さのみならず長さや様々な形態に適したデバイス選択が重要となった。現在、本邦で保険適応のあるPDA閉鎖デバイスはFlipper coilとADO Iのみであるが、海外ではAVP IIを用いた閉鎖術の報告が散見される。【目的】AVP IIを用いたPDA閉鎖術を施行した症例の治療内容・成績を評価し、適切なサイズ選択の指標を得ること。AVP IIは当院の倫理委員会の承認を得て使用した。【対象と方法】当院でAVP IIを用いたPDA閉鎖術を施行した症例を診療録から後方視的に検討した。【結果】対象となる症例は4例で、年齢は3-6歳 , 体重は14.1-21.3kg 形態はtypeA1例,D1例, E2例で、径は肺動脈端1.6-2.8mm 中央部3.9-8.0mm 大動脈端 6.1-15.8mm、長さ11.3-19.5mm であった。デバイス径は6mm1例、8mm2例, 10mm1例で、全例で大動脈側からアプローチし、遠位のディスクを肺動脈内で展開、残りはPDA内で展開し留置した。デタッチ後に造影した側面の画像で計測したデバイス長/PDA長の比は0.51-0.87で、0.7以上にするにはPDA中央部の径の1.5倍程度のデバイス径を要していた。翌日のエコーでは全例でresidual shuntを少量認めたが、2週間後の外来でのエコーではすべて消失しており、左肺動脈狭窄などの合併症も認めなかった。【考察】長いPDAの閉鎖術において、ADOはPDA内に留置される体積が小さく、留置後に大きな死腔が残存し、将来的な瘤化が懸念される。したがって、type C, D, Eの長いPDAではAVP IIを使用し、できるだけ死腔を残さない形での閉鎖が望ましいと考える。留置後のデバイス長の予測は難しいが、PDA中央部の径の1.5倍程度のサイズを選択するとPDAの大部分がカバーされると考えた。【結語】AVP IIを用いたPDA閉鎖術は安全かつ有用な治療と考える。適切なデバイス径の選択について更なる検討が必要である。