[P35-02] 先天性心疾患の狭窄病変の評価におけるNavvus Catheterの有用性
Keywords:Navvus Catheter, congenital heart disease, severe stenosis
【背景】中心循環系先端トランスデューサ付カテーテル(ACIST社製Navvus Catheter:以下Navvus)は、0.014インチガイドワイヤに追従し、狭窄病変部を通過し前進させて、ガイドワイヤを留置したままの状態で、先端部に装備されているオプティカルトランスデューサからリアルタイムに血圧測定ができ、血行動態の評価を行うことが可能である。【症例1】2歳6ヶ月男児。6番単腕部分trisomy、重度大動脈弁狭窄症に対して1歳6ヶ月時に経皮的大動脈弁形成術(PTAV)を施行。圧較差は74mmHgから34mmHgに改善をみとめ、外来にて経過観察をしていたが、再狭窄が疑われたため、再度PTAV目的に入院した。Wedge pressureやend-side holeカテーテルでの評価では正確に弁下狭窄と弁性狭窄を区別することは困難であったが、Navvusと0.014インチガイドワイヤーのシステムを用いて、引き抜き圧較差を測定することにより、大動脈弁下狭窄によるものと正確に診断することができ外科手術に治療方針を変更した。【症例2】17歳男児。左側相同、右心性単心室のDKS吻合を併用した両方向性Glenn手術、Fontan手術後。両側の流出路狭窄の進行を認めたため、心臓カテーテル検査を施行。右室-上行大動脈での圧較差は66mmHgと高度であったが、同じくNavvusと0.014インチガイドワイヤーとのシステムを使用し引き抜き圧較差を測定したところ、肺動脈弁下で56mmHg、弁で10mmHgと弁下優位の狭窄であることが正確に評価され、バルーン拡大術の適応なしと判断した。【考察および結語】Navvusは、狭窄病変を通過したガイドワイヤを留置したままの状態で血圧測定ができるため、カテーテル治療時などにおける病変の重症度、治療効果判定において極めて有効である。また、先端のトランスデューサにより血圧測定ができるため、圧トランスデューサによる計測に比して、正確な狭窄部位診断が可能である。小児領域での使用経験はまだ少なく、使用経験の蓄積が必要である。