第54回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスターセッション

画像診断

ポスターセッション35(P35)
画像診断 2

2018年7月6日(金) 18:00 〜 19:00 ポスター会場 (311+312+313+315)

座長:神山 浩(日本大学医学部 医学教育センター)

[P35-06] 心臓CT検査における適切な撮像と画像処理(心大血管像から心内腔像の動画表示まで)-年間400件の手術に求められる画像の追求-

橋本 丈二1, 杵島 渉1, 塩足 幸1, 梅木 千晶1, 山崎 宏枝1, 林 信行1, 川村 暢子2, 石川 司朗3, 佐川 浩一3, 角 秀秋4, 中野 俊秀4 (1.福岡市立こども病院 放射線部, 2.福岡市立こども病院 放射線科, 3.福岡市立こども病院 小児循環器科, 4.福岡市立こども病院 心臓血管外科)

キーワード:CT, 撮影方法, 造影方法

背景・目的:CHD治療における正確な診断と治療方針決定に,心臓CT検査(CT)は不可欠である.十分な情報を得るに適切な撮像と画像処理は欠かせない.当院のCT検査の現状を検証した.
対象:心臓CT検査1326件(H26年11月~H29年10月.検査時年齢:0日~22歳,中央値1.3歳)
機種:Definition Flash(SIEMENS)
準備:造影剤注入刺激等に影響されない適切な鎮静と知りたい部位,予定術式などのできるだけ詳細な情報収集.
造影剤の注入:Spiral flow tube(Nemoto)使用.Iopamidol600mgI/kg使用.生理食塩液(生食)で50%希釈した造影剤をルート先端まで充填し,20秒で注入.その後生食を同速度で4秒間注入.注入開始24秒後に撮像開始.但しFontan術前後は,全注入量の70%(50%希釈)を25秒,残り30%(30%に希釈)を23秒注入.注入開始52秒後と90秒後の2回撮像.
穿刺針,注入速度:体重15kg未満は24G:max2.9ml/sec,15~35kgは22G:max3.6ml/sec,35kg以上は20G:max4.3ml/secとする.注入速度が大きい場合,造影剤希釈を50%,70%,90%と引き上げる.血管確保は原則下肢(特にFontan術前後).
撮像法:3Dは被曝を考慮しFlash Spiralを,4D(心内腔)には心電同期法を選択し,弁動画,新生児の冠動脈(RR間隔0~100%)およびMAPCA(同40~85%)を撮像した.
画像処理:VINCENT(Fuji)使用.オパシティカーブを多数準備し,心血管内腔は造影剤を透明に,軟部組織は不透明に調整した.技師間技術差軽減を目的に個別指導とネット環境PCによる手順動画を準備した.
被曝:3D約1.5mSv,4D約12mSvであり,被曝軽減の為,低管電圧撮影,逐次近似再構成を選択.
画像:供覧する.
総括:設定とくに造影方法に画像は大きく影響される.検査前の情報収集に始まり,沈静,造影,撮像法選択の適切化によって,良好な2D画像を得ることができ,その画像が3D/4DCTの基本となる.低侵襲・低被曝を原則に,適切な画像提供,正確な診断,術式決定,患者への情報提供が可能となると考える.また,画像計測は3D/4Dではなく2Dで行うことが原則である。