The 54th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスターセッション

外科治療

ポスターセッション39(P39)
外科治療 5

Fri. Jul 6, 2018 6:00 PM - 7:00 PM ポスター会場 (311+312+313+315)

座長:小谷 恭弘(岡山大学 心臓血管外科)

[P39-02] ファロー四徴症、肺動脈弁欠損に対してLecompte法を用い心内修復術を施行した2症例

瀧口 洋司1, 岡村 達1, 米山 文弥1, 上松 耕太1, 原田 順和1, 瀧聞 浄宏2, 武井 黄太2, 安河内 聰2, 内海 雅史2 (1.長野県立こども病院 心臓血管外科, 2.長野県立こども病院 循環器小児科)

Keywords:absent pulmonary valve syndrome, Lecompte maneuver, Tetralogy of Fallot

【目的】肺動脈弁欠損症候群はまれな疾患でファロー四徴症の5%に合併し、重症例では出生早期に呼吸不全を認める非常に重症な疾患である。最近、Lecompte法を用い心内修復術を施行したファロー四徴症、肺動脈弁欠損の2症例を経験したので文献的考察を交え報告する。【症例1】5か月男児体重6185g、mesocardia、ファロー四徴症、肺動脈弁欠損、心房中隔欠損、胎児診断症例。在胎41週、3802g、APGAR8/8。呼吸不全を認めなかったため、外来経過観察し手術の方針となった。手術はLecompte法を用い、RVOTは14mm3弁付き導管にて形成、心内修復術を行った。術後は気管支鏡では左右気管支の開存を確認でき、拍動も消失した。術後6日目抜管、術後17日目に軽快退院。現在外来経過観察している。【症例2】1歳男児、体重4518gファロー四徴症、肺動脈弁欠損、気管支軟化症、呼吸不全、胎児診断症例。在胎35週、2342g、APGAR3/6。出生後より重度の呼吸不全があり、NO使用して管理。造影CTで肺動脈拡大による気管圧排を認め、1か月時に肺動脈縫縮を伴った心内修復術を施行したが、左気管支は下行大動脈と再度拡大した肺動脈に挟まれて圧排されていた。5か月時に気管切開。左気管支は肺動脈に圧排され閉塞、左肺の過膨張が進行したため圧排解除を行う方針となった。手術はLecompte法を用い14mm3弁付き導管にてRVOT形成を行った。また拡大した左肺動脈を縫縮形成した。術後左気管支の閉塞は解除されたが、変形は残存し、現在在宅用の呼吸器に移行中。【考察及び結語】肺動脈弁欠損は、肺動脈の拡大による呼吸不全のために、特に新生児、乳児早期に治療介入が必要な場合、気管軟化症、気管支狭窄及び変形を生じやすい。今回、気管支圧排を生じたファロー四徴症、肺動脈欠損の症例に対してLecompte法を用いて良好な成績を得た。しかし、重症な気管軟化症を合併する症例では、十分な改善が得られないこともあり、慎重な経過観察が重要と考える。