The 54th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスターセッション

その他

ポスターセッション46(P46)
その他 2

Sat. Jul 7, 2018 1:00 PM - 2:00 PM ポスター会場 (311+312+313+315)

座長:桃井 伸緒(福島県立医科大学 小児科学講座)

[P46-05] コアグチェックを用いたPT-INR計測は、患者毎の検査室測定PT-INRとの回帰の上での評価が必要である

猪野 直美, 谷川 翔陽, 松村 峻, 岩本 洋一, 石戸 博隆, 先崎 秀明, 増谷 聡 (埼玉医科大学 総合医療センター 小児科・小児循環器)

Keywords:プロトロンビン時間, ワーファリン, コアグチェック

【背景】コアグチェックによるPT-INRを用いた抗凝固管理は、微量・わずかな痛み・短時間測定の特徴から小児心疾患患者の外来診療で広く使用されるようになった。しかし、ゴールドスタンダードとしての検査室測定との関係が個々人によって異なるかは明らかでなく、検討を行った。
【方法】2016年以降、当科の外来でワーファリンの投与を行っている患者で、コアグチェックXSと検査室測定(機器:CP3000、試薬:コアグピアPT-N)の同時測定を二回以上施行した患者を後方視的に抽出した。両検査結果の関係を全体および各個人で比較検討した。
【結果】該当症例は12例、年齢は中央値12歳(7-30歳)、弁置換10例、川崎病巨大冠動脈瘤とフォンタン術後各1例であった。このうちコアグチェックが大きく過小評価した1例を除いた11例で検討しても(N=44)、コアグチェックは検査室PT-INRを過小評価した(コアグチェック値=0.85*コアグチェック-0.11)。さらに4ポイント以上同時計測をしている5例を目視的に検討すると、1例のみほぼ両者が同一(コアグチェック値=1.14*コアグチェック-0.57)であったが、他の3例は全体同様の過小評価、1例がきわめて大きな過小評価を示した(コアグチェック値=0.30*コアグチェック+0.58)。
【考察】2016年以降のコアグチェック検査値は、検査室測定に対し過小評価の傾向を示した。さらに両者の相関は、個々人で大きく異なり、凝固管理の安全性に影響を与え得る。その相違の原因は未解明である。従って、本機器のデータ解釈には、患者毎・複数ポイントで検査室との相関を確認しながら使用することが重要と考える。