第54回日本小児循環器学会総会・学術集会

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ポスターセッション46(P46)
その他 2

2018年7月7日(土) 13:00 〜 14:00 ポスター会場 (311+312+313+315)

座長:桃井 伸緒(福島県立医科大学 小児科学講座)

[P46-07] 脊髄性筋萎縮症I型に高血圧を呈した1例

佐藤 充晃, 宮本 朋幸, 岩岡 亜里, 村島 義範 (横須賀市立うわまち病院 小児科)

キーワード:脊髄性筋萎縮症, 高血圧, 交感神経

【背景】脊髄性筋萎縮症(Spinal muscular atrophy:SMA)はsurvival motor neuron 1(SMN1)遺伝子やneuronal apoptosis inhibitory protein(NAIP)遺伝子が原因遺伝子とされSMN1遺伝子のexon7・exon8の両者あるいはexon7のみの欠失によりSMN蛋白が発現せずその結果、脊髄前角細胞の変性が生じて神経原性に筋萎縮・脱力を特徴とする常染色体劣性遺伝病である。SMAはIからIV型に分類され特にI型は乳児期発症であり人工呼吸器による管理を行わない場合、死亡年齢は平均6から8ヶ月であり24ヶ月までほぼ全例が死亡すると言われている。しかし適切な管理により長期的に延命している患児が増えてきている。【目的】SMAではその生命予後により合併症の報告は少ないが今回、我々は在宅医療へ移行し学童期まで延命しているSMA I型患児における高血圧合併症例を経験した。SMAでの高血圧合併症例は報告が少なくその対応を検討する必要がある。【方法・結果】経過中に行ったカプトプリル負荷試験は陽性であり高血圧の要因は交感神経の活性化によるレニン-アルドステロン-アンジオテンシン系亢進によるものと考えられた。なお、超音波検査では腎動脈の有意な狭窄は指摘されなかった。【考察】最近ではSMAに対する新規治療薬も開発され長期的予後が改善する見込みもある。その上で様々な合併症への対応が必要になる可能性も予測され本症例のように高血圧に留意する必要があると思われた。