[P57-01] Glenn/Fontan循環における肺血管拡張薬投与の現状
Keywords:肺血管拡張薬, フォンタン, グレン
【緒言】肺動脈圧・中心静脈圧(CVP)を低く保つことは、良いFontan循環の要件の一つである。肺循環への駆出ポンプを持たないGlenn/Fontan循環患者は肺血管拡張薬投与の良い適応と考えられるが、その有効性はcontroversialである。
【目的】Glenn/Fontan循環症例における肺血管拡張薬使用の実態を知ること。
【対象・方法】対象は2008年4月から2017年12月に当院でGlenn手術(G術)あるいはFontan手術(F術)を施行し、現在もフォロー中の71例。肺血管拡張薬を投与した18例(G術後3例、F術後15例)について、1)基礎心疾患、2)肺血管拡張薬投与開始時期、3)投与適応、4)薬剤種類、5)効果、6)心外合併症等を診療録から後方視的に検討した。
【結果】1) 左室型単心室10例、右室型単心室8例で、うち右側相同4例、左側相同1例。肺血流増多型10例、肺血流低下型8例。2) G術前2例、G術直後4例、F術直後7例、F術後遠隔期5例。3) 低酸素血症6例、高いCVP 5例、横隔神経麻痺・肺葉切除後・気胸・胸水貯留・蛋白漏出性胃腸症(PLE)各1例、その他2例。4) 3剤併用2例、2剤併用8例、1剤8例。5) 投薬終了9例、副作用で中止2例(頻回嘔吐、胸水貯留)、継続7例。6) 横隔神経麻痺2例(横隔膜縫縮術後1例)、肺分画症(肺葉切除術後)、PLE、肺動静脈瘻、門脈-肺静脈シャント、喉頭軟化症、気胸各1例。
【考察】F術直後に肺血管拡張薬を開始された例は全例その後中止可能であったが、投与継続例の約半数は横隔神経麻痺や肺葉切除後など呼吸の問題を抱える症例であった。肺血管拡張薬投与の是非を検討するにはさらなるデータ集積が期待される。
【目的】Glenn/Fontan循環症例における肺血管拡張薬使用の実態を知ること。
【対象・方法】対象は2008年4月から2017年12月に当院でGlenn手術(G術)あるいはFontan手術(F術)を施行し、現在もフォロー中の71例。肺血管拡張薬を投与した18例(G術後3例、F術後15例)について、1)基礎心疾患、2)肺血管拡張薬投与開始時期、3)投与適応、4)薬剤種類、5)効果、6)心外合併症等を診療録から後方視的に検討した。
【結果】1) 左室型単心室10例、右室型単心室8例で、うち右側相同4例、左側相同1例。肺血流増多型10例、肺血流低下型8例。2) G術前2例、G術直後4例、F術直後7例、F術後遠隔期5例。3) 低酸素血症6例、高いCVP 5例、横隔神経麻痺・肺葉切除後・気胸・胸水貯留・蛋白漏出性胃腸症(PLE)各1例、その他2例。4) 3剤併用2例、2剤併用8例、1剤8例。5) 投薬終了9例、副作用で中止2例(頻回嘔吐、胸水貯留)、継続7例。6) 横隔神経麻痺2例(横隔膜縫縮術後1例)、肺分画症(肺葉切除術後)、PLE、肺動静脈瘻、門脈-肺静脈シャント、喉頭軟化症、気胸各1例。
【考察】F術直後に肺血管拡張薬を開始された例は全例その後中止可能であったが、投与継続例の約半数は横隔神経麻痺や肺葉切除後など呼吸の問題を抱える症例であった。肺血管拡張薬投与の是非を検討するにはさらなるデータ集積が期待される。