[P59-04] 歌舞伎症候群に対する心臓外科治療
Keywords:歌舞伎症候群, 肺高血圧, 心臓外科治療
【目的】心疾患を有する歌舞伎症候群に対する心臓外科治療成績を検討し,問題点を抽出すること.
【対象と方法】対象は2001-2017年に当院で心臓外科治療を行った歌舞伎症候群 9例. 心疾患の内訳は,CoA + VSD + MS 3例, DORV 1例, ASD 1例, HLHS(MS, AA) 2例, IAA/CoA + DORV + 左室低形成 2例で,消化管疾患合併例が7例(胃食道逆流 5例, 鎖肛 2例)あった.これらの治療成績を後方視検討した.
【結果】観察期間は中央値4.5年(最長19.8年).二心室修復適応は5例,Fontan candidateが4例であった.二心室修復群(BVR群)の術式は,CoA repair + VSD閉鎖 2例,DORV repair 1例, ASD閉鎖 1例, CoA repairのみ(VSDは自然閉鎖) 1例で,手術死亡, 遠隔死亡ともになかった.
Fontan candidate群の4例では,両側肺動脈狭窄の1例を除く3例で両側肺動脈絞扼術を先行し, 日齢43(23-57), 体重 2.8(2.3-3.2)kgでNorwood + RV-PA shuntを行った. 在院死亡が1例(心室拡張障害による多臓器不全)あったが,残る3例はBDGに到達した.しかし,3例とも,胃食道逆流のため経管栄養を併用しており,BDG術後1年の時点で,平均肺動脈圧は11-15mmHg, PA indexは80-347 mm2/BSAで,在宅酸素療法を行っている.また,全例成長発達遅延を認めており,現在,2.3-4.9歳であるが,ひとり歩きはできず,Fontan未到達のまま,外来経過観察中である.
【まとめ】歌舞伎症候群に対する心臓外科治療の成績は,二心室修復群では概ね良好であった.Fontan candidate群では,消化管疾患合併に伴う肺高血圧や成長発達遅延が高率に存在し,Fontanへの危険因子となると考えられた.
【対象と方法】対象は2001-2017年に当院で心臓外科治療を行った歌舞伎症候群 9例. 心疾患の内訳は,CoA + VSD + MS 3例, DORV 1例, ASD 1例, HLHS(MS, AA) 2例, IAA/CoA + DORV + 左室低形成 2例で,消化管疾患合併例が7例(胃食道逆流 5例, 鎖肛 2例)あった.これらの治療成績を後方視検討した.
【結果】観察期間は中央値4.5年(最長19.8年).二心室修復適応は5例,Fontan candidateが4例であった.二心室修復群(BVR群)の術式は,CoA repair + VSD閉鎖 2例,DORV repair 1例, ASD閉鎖 1例, CoA repairのみ(VSDは自然閉鎖) 1例で,手術死亡, 遠隔死亡ともになかった.
Fontan candidate群の4例では,両側肺動脈狭窄の1例を除く3例で両側肺動脈絞扼術を先行し, 日齢43(23-57), 体重 2.8(2.3-3.2)kgでNorwood + RV-PA shuntを行った. 在院死亡が1例(心室拡張障害による多臓器不全)あったが,残る3例はBDGに到達した.しかし,3例とも,胃食道逆流のため経管栄養を併用しており,BDG術後1年の時点で,平均肺動脈圧は11-15mmHg, PA indexは80-347 mm2/BSAで,在宅酸素療法を行っている.また,全例成長発達遅延を認めており,現在,2.3-4.9歳であるが,ひとり歩きはできず,Fontan未到達のまま,外来経過観察中である.
【まとめ】歌舞伎症候群に対する心臓外科治療の成績は,二心室修復群では概ね良好であった.Fontan candidate群では,消化管疾患合併に伴う肺高血圧や成長発達遅延が高率に存在し,Fontanへの危険因子となると考えられた.