[I-OR02-03] 僧帽弁置換術後のPPMに対するManouguian二弁置換術
キーワード:Manouguian二弁置換術, 僧帽弁置換術後, 弁輪拡大
【背景・目的】小児・若年期に僧帽弁置換術(MVR)を要した場合、成長に伴い必ずpatient-prosthesis mismatch(PPM)が出現し再弁置換術が必要となる。僧帽弁位人工弁の再弁置換術では2size程度のsize upが可能な場合が多いが、稀に僧帽弁輪・左房・左室の成長が乏しくsize upが困難な症例を認める。我々はMVR術後のsize up困難例にManouguian法による二弁置換術(DVR)を施行した2症例を経験したので報告する。
【症例1】16歳男性、BSA1.57m2[診断]川崎病による両側冠動脈瘤・両側乳頭筋不全による重症僧帽弁閉鎖不全 [経過]6か月:MVR1(SJMHP17mm)、10か月:MVR2(弁機能不全、SJMHP17mm)、11歳:MVR3(PPM、SJMregent19mm)[術前検査]カテーテル検査;MVA1.16cm2、meanPG8.2mmHg 、CT:僧帽弁輪径20mm、左房非常に小さく弁輪周囲に石灰化著明[手術]Manouguian DVR(M:OnX23mm,A:SJMregent21mm)、左房パッチ拡大[術後経過]術後肺水腫、肺高血圧症、低酸素血症あり、NO・VV-ECMO使用を要したが離脱し軽快退院。
【症例2】33歳男性、BSA1.45m2[診断]不完全型房室中隔欠損症(iAVSD)[経過]1か月:iAVSD心内修復術、1歳:僧帽弁形成術、2歳:MVR1(SJM19mm)、7歳:MVR2(PPM、SJM21mm)[術前検査]カテーテル検査;MVA095cm2、meanPG11.3mmHg、僧帽弁輪径23mm、CT:左房小さい、弁輪石灰化著明[手術]Manouguian DVR(M:OnX25mm,A:SJMregent21mm)[術後経過]術後肺水腫、肺高血圧ありNO使用。肺炎合併あったが軽快退院。
【考察・結語】MVR術後のPPMに対するsize-upは基礎疾患やMVRの回数、弁輪周囲の石灰化などにより困難になる場合がある。PPMの残存は生命予後低下に関与するためその回避は最優先されるべきだが、僧帽弁の弁輪拡大法は限られている。正常大動脈弁に対する弁置換は問題であるが、現行の人工弁のperformanceを考慮するとManouguian DVRは解決法の一つとなりうる。
【症例1】16歳男性、BSA1.57m2[診断]川崎病による両側冠動脈瘤・両側乳頭筋不全による重症僧帽弁閉鎖不全 [経過]6か月:MVR1(SJMHP17mm)、10か月:MVR2(弁機能不全、SJMHP17mm)、11歳:MVR3(PPM、SJMregent19mm)[術前検査]カテーテル検査;MVA1.16cm2、meanPG8.2mmHg 、CT:僧帽弁輪径20mm、左房非常に小さく弁輪周囲に石灰化著明[手術]Manouguian DVR(M:OnX23mm,A:SJMregent21mm)、左房パッチ拡大[術後経過]術後肺水腫、肺高血圧症、低酸素血症あり、NO・VV-ECMO使用を要したが離脱し軽快退院。
【症例2】33歳男性、BSA1.45m2[診断]不完全型房室中隔欠損症(iAVSD)[経過]1か月:iAVSD心内修復術、1歳:僧帽弁形成術、2歳:MVR1(SJM19mm)、7歳:MVR2(PPM、SJM21mm)[術前検査]カテーテル検査;MVA095cm2、meanPG11.3mmHg、僧帽弁輪径23mm、CT:左房小さい、弁輪石灰化著明[手術]Manouguian DVR(M:OnX25mm,A:SJMregent21mm)[術後経過]術後肺水腫、肺高血圧ありNO使用。肺炎合併あったが軽快退院。
【考察・結語】MVR術後のPPMに対するsize-upは基礎疾患やMVRの回数、弁輪周囲の石灰化などにより困難になる場合がある。PPMの残存は生命予後低下に関与するためその回避は最優先されるべきだが、僧帽弁の弁輪拡大法は限られている。正常大動脈弁に対する弁置換は問題であるが、現行の人工弁のperformanceを考慮するとManouguian DVRは解決法の一つとなりうる。