[I-OR07-01] 当院における低出生体重児に対するカテーテル治療の検討
キーワード:カテーテル治療, インターベンション, 低出生体重
【背景】先天性心疾患(CHD)を有する低出生体重児(LBWI)において手術が困難な場合に、カテーテル治療(CI)は代替治療や根治手術までのbridging therapyとして有用と考えられるが、安全性や有効性に関する本邦からの報告は少ない。【目的】当院においてCIを行ったLBWI症例の背景、治療内容、転帰、有害事象等を明らかにする。【方法】2011年1月1日~2018年12月31日に当院でCIを行ったLBWI症例の診療情報録を後方視的に検討した。【結果】研究期間に14例に計20回のCIが行われた。出生体重の中央値は1580g(602~2342g, ~999g 4例)、在胎週数の中央値は33週3日(23週3日~40週3日)、治療時体重の中央値は1800g(842~2489g)、治療時日齢の中央値は35日(1~150日)であった。主疾患は完全大血管転位4例、左心低形成症候群1例、両大血管右室起始1例、大動脈縮搾複合1例、ファロー四徴1例、総肺静脈還流異常1例、純型肺動脈閉鎖1例、重症肺動脈弁狭窄2例、右室型単心室2例であった。手技はバルーン心房裂開術(BAS)3回、static BAS13回、経皮的肺動脈弁拡大術(PTPV)2回、右室流出路ステント1回、卵円孔ステント1回(BASと同一回)、バルーン右室流出路拡大術1回であった。アクセス部位は、超低出生体重児に臍静脈(1回)、開胸下で右室前面(1回)を用いたが、他は大腿静脈(FV)18回であった。術中の有害事象は不整脈1例、無呼吸1例、ガイドワイヤーの血管外穿通1例、移送中の抜管1例、ステント脱落1例、痰貯留3例であった。FVからアプローチした18症例のうち、後に2例でFV閉塞を認めた。CI関連の死亡はなかった。7例が生存退院、3例が外科手術待機中、4例が死亡退院となり、9例が根治手術ないし姑息手術に到達した。死亡例のうち3例は姑息手術後の死亡であった。【考察】LBWIのCI合併症率は21~56%とあるが、当院でも40%と合致した。【結論】CHDをもつLBWIにおいてCIは一つの選択肢であり、根治術までのbridging therapyとなり得る。