[I-OR07-03] 2心室修復に到達したPA/IVSおよびcPSの中長期的予後
Keywords:純型肺動脈弁閉鎖, 重症肺動脈弁狭窄, 経皮的肺動脈弁形成術
【背景】新生児期に経皮的肺動脈弁形成術(PTPV) が施行されるようになり、2心室修復に到達する純型肺動脈弁閉鎖(PA/IVS)や重症肺動脈弁狭窄(cPS)は増加しているが、遠隔期に再介入が必要となる症例もあり、その中長期的予後については明らかではない。【目的および方法】1997年5月以降、当科で経過観察中の2心室修復に到達した24例(PA/IVS10例、cPS14例)(平均観察期間13.7年、1.3-37.0歳)について、その後の治療介入および現状を後方視的に検討した。【結果】新生児期にPTPV施行した症例は20例、PTPV無効例を含めBrock手術など外科的介入例は5例であった。全例動脈管依存性循環を離脱し外来経過観察となった。経過観察中の死亡なし(同期間のPA/IVS体肺短絡術群では5/19例(26.3%)が死亡)。追加外科手術は8/24例(33%)に実施し、15年回避率はPA/IVS群45.0%、cPS群73.8%、追加PTPVは8/24例(33%)に実施し、15年回避率はPA/IVS群64.3%、cPS群70.0%であった。2心室修復到達24例のCVPは5.3±2.4mmHg、RVEDVは112.9±29.0%N、TR moderate以上が7/24例(29.2%)、PS圧較差は9.8±8.7mmHg、PR moderate以上が13/24例(54.2%)であった。ASD開存例が3例(12.5%)、チアノーゼ残存例が2例(8.3%)、不整脈合併例が2例(8.3%)だった。【考察】遠隔期に追加外科手術が必要となる症例はPA/IVSに多く、PTPVについては両群ともに早期に再介入を必要とする症例を一部に認めた。RVの発育は良好だったが、TRおよびPR残存例が多く、PSは改善していた。【結語】2心室修復に到達したPA/IVSおよびcPSの中長期生命予後は良好であるが、追加介入の可能性が高く、さらに遠隔期の経過観察が必要である。