第55回日本小児循環器学会総会・学術集会

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一般口演

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一般口演8(I-OR08)
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Thu. Jun 27, 2019 9:50 AM - 10:40 AM 第5会場 (中ホールB)

座長:高橋 健(順天堂大学医学部順天堂医院 小児科・思春期科)
座長:石川 友一(福岡市立こども病院 循環器科)

[I-OR08-02] 多断面マイクロ経食道エコープローブの小児先天性心疾患に対する有用性の検討

武井 黄太, 安河内 聰, 瀧聞 浄宏, 田中 登, 米原 恒介, 大日方 春香, 沼田 隆佑, 小山 智史 (長野県立こども病院 循環器小児科)

Keywords:経食道心エコー, 先天性心疾患, 小児

【背景】経食道心エコー(TEE)検査は先天性心疾患に対しても有用性が報告されているが、乳幼児に対して使用できるプローブはこれまで単断面のものに限られていた。今回本邦でもシャフト径5.2mmの多断面マイクロ経食道エコー(mTEE)プローブが利用可能となった。【目的】mTEEプローブを使用した小児先天性心疾患に対するTEE検査の画質について評価し、その有用性について検討すること。【方法】対象は2017年8月~2019年2月にmTEEプローブを使用してTEE検査を施行した46例で、計54回の検査を施行した。使用機材は超音波診断装置EPIQ 7とmTEEプローブS8-3t(Philips社製)。全例人工呼吸管理、全身麻酔下でTEE検査を施行した。検討項目は検査時年齢、体重、検査目的、合併症、画質で、画質はTEE検査の際に記録された動画を後方視的に、TEE検査の目的とする部位、および基本断面として経胃短軸断面(SAX)、中部食道四腔断面(4CV)、長軸断面(LAX)、房室弁カラードプラ(CD)、パルス/連続波ドプラ波形(W)について、それぞれ診断不可:1、診断できるが画質不良:2、画質良好:3にスコア化して評価した。【結果】検査時年齢1.8±2.6歳(最低0ヶ月)、体重7.9±5.2kg(最低2.0kg)で、mTEEプローブの挿入困難例は無かった。検査目的は心血管構造の診断が52回、カテーテル治療のモニターが2回であった。画質スコアは検査目的部位で 2.3±0.6点で、51/54回(94%)の検査で2点以上であった。1点であったのは3回で、いずれも体重10kg以上の症例であった。また、基本断面の画質スコアはSAX:2.0±0.5点、4CV:2.1±0.4点、LAX:2.4±0.5点、CD:2.7±0.5点、W:2.4±0.5点であった。検査に伴う出血等の合併症は認めなかった。【考察】mTEEプローブは体重2kg以上の小児に対して安全に使用でき、ほとんどの症例で診断可能な画像が得られており有用であった。ただし体格の大きな児ではプローブの密着が悪く診断に必要な画像が得られない場合があった。