[I-OR09-02] 当院における小児ECMOの経験
Keywords:ECMO, 開心術後, 心筋炎
【目的】当院における小児ECMOの経験を検討すること。
【方法】2007年8月から2018年12月、ECMO補助を行った症例は102症例(94人)で、同一入院中に2度目のECMO補助を行った症例は6例(6人)であった。これらの症例のカルテ情報、臨床データを用いて、後方視的に検討を行った。
【成績】年齢・体重の中央値は各々3.7か月(0日~21歳)、4.2kg(2.1~47.3kg)であった。単心室は51例で、うち47例は姑息術後であった。31例は開心術中に人工心肺離脱困難、38例は術後呼吸または循環不全(手術からECMO開始までの時間の中央値は82時間(27分~68日))、33例は他の要因でECMO補助を要した。22例に心肺蘇生を要し、蘇生時間は中央値43分(2~150分)であった。新生児遷延性肺高血圧症の1例および開心術後の低酸素血症 2例にV-V ECMO、他の99例はV-A ECMOを行った。V-A ECMOのうち80例は上行送血、右房脱血で、14例は総頚動脈送血、内頚静脈脱血、5例は総大腿動脈送血、総大腿静脈脱血、V-V ECMOの3例は内頚静脈で施行した。1例を除く全例にCHDFを導入した。ECMO補助期間は中央値132時間(19時間~23日)で、24例にECMO補助中に外科的介入を行い、3例はLVAD装着を行った。76例はECMO離脱(ECMO離脱後24時間以上の生存)に成功し、46例は生存退院し、3例は現在入院中である。単心室と二心室、新生児と非新生児の離脱に有意差はなく(単心室:二心室 38/51:38/51、新生児:非新生児 19/28: 57/74)、ECMO補助期間が14日以上となる症例では有意に離脱率は低かった(14日未満:14日以上 73/92:3/10)。重要な合併症は、脳障害が7例であり、うち6例がECMO補助前に蘇生を要した症例であった。
【結論】ECMOは、急性心筋炎や呼吸不全、開心術後の単心室や蘇生を要する循環不全を生じた症例においても、有用な救命装置となる。脳障害は、蘇生後にECMO補助を行った症例での重要な合併症である。
【方法】2007年8月から2018年12月、ECMO補助を行った症例は102症例(94人)で、同一入院中に2度目のECMO補助を行った症例は6例(6人)であった。これらの症例のカルテ情報、臨床データを用いて、後方視的に検討を行った。
【成績】年齢・体重の中央値は各々3.7か月(0日~21歳)、4.2kg(2.1~47.3kg)であった。単心室は51例で、うち47例は姑息術後であった。31例は開心術中に人工心肺離脱困難、38例は術後呼吸または循環不全(手術からECMO開始までの時間の中央値は82時間(27分~68日))、33例は他の要因でECMO補助を要した。22例に心肺蘇生を要し、蘇生時間は中央値43分(2~150分)であった。新生児遷延性肺高血圧症の1例および開心術後の低酸素血症 2例にV-V ECMO、他の99例はV-A ECMOを行った。V-A ECMOのうち80例は上行送血、右房脱血で、14例は総頚動脈送血、内頚静脈脱血、5例は総大腿動脈送血、総大腿静脈脱血、V-V ECMOの3例は内頚静脈で施行した。1例を除く全例にCHDFを導入した。ECMO補助期間は中央値132時間(19時間~23日)で、24例にECMO補助中に外科的介入を行い、3例はLVAD装着を行った。76例はECMO離脱(ECMO離脱後24時間以上の生存)に成功し、46例は生存退院し、3例は現在入院中である。単心室と二心室、新生児と非新生児の離脱に有意差はなく(単心室:二心室 38/51:38/51、新生児:非新生児 19/28: 57/74)、ECMO補助期間が14日以上となる症例では有意に離脱率は低かった(14日未満:14日以上 73/92:3/10)。重要な合併症は、脳障害が7例であり、うち6例がECMO補助前に蘇生を要した症例であった。
【結論】ECMOは、急性心筋炎や呼吸不全、開心術後の単心室や蘇生を要する循環不全を生じた症例においても、有用な救命装置となる。脳障害は、蘇生後にECMO補助を行った症例での重要な合併症である。