[I-P16-04] 経皮的心房中隔欠損孔閉鎖術の限界~辺縁面積率の有用性
Keywords:心房中隔欠損症, 経皮的心房中隔欠損孔閉鎖術, リスク因子
【目的】経皮的心房中隔欠損(ASD)閉鎖術を行ったが不成功となった患者群の特徴について明らかにする。【対象・方法】2007~2018年に治療を行なった196例中,心浸食リスクを懸念しデバイス留置断念・技術的留置困難例が不成功群:計6例(PFO1例除く)だった。成功した189例のうち、不成功群と同程度のASD径・治療時年齢の患者群を無作為に抽出した19例を成功群とした。両群の経食道心エコー(TEE)による欠損孔径・心房中隔長・辺縁長について後方視的に検討した。累積辺縁面積として微小角Δθ°における辺縁長を0°から360°までの積分値とし近似的に算出した.【結果】成功群・不成功群において、年齢(9.7±2.6歳vs 9.2±3.8歳,P=0.797)、肺体血流比(2.8±0.8 vs 2.2±0.7,P=0.246)、ASD最大径(21.0±2.8mm vs 21.4±5.0mm,P=0.899)、心房中隔長(36.6±5.1mm vs 36.3±7.9mm,P=0.799),累積辺縁面積(3640±1188cm2 vs 2645±505cm2,P=0.109)に有意差はなかった。上方縁(60°~90°)と下方縁(270~300°)の累積辺縁面積の占める割合が,F群の方が有意に小さかった[8.5(5.8~10.6)vs 19.0 (10.0~30.2),P<0.001]。前述の割合を用いてROC曲線を作成すると、閾値 13.5%(AUC 0.9737)で経皮的ASD閉鎖留置困難例を抽出できた(感度100%、特異度94.7%)。【結語】上・下辺縁の不足した欠損孔(縦長楕円形)のASDでは留置困難例である可能性が高いと考えた.ASD累積辺縁面積はその抽出に有用な方法であると考えた。