[I-P23-04] インフリキシマブ追加投与を行なった治療抵抗性川崎病3症例の検討
Keywords:川崎病, インフリキシマブ, 不応例
【はじめに】ガンマグロブリン大量療法(IVIG)抵抗性の川崎病患者に対する3rd line以降の治療法は現在のところ定まっていない。長野県では3rd lineの治療として除外基準が該当しなければInfliximab (IFX) 5mg/kgの投与を行なっている。しかしIFX無効症例も10-15%存在する。我々は4th lineとしてIFX 5mg/kgを追加投与が有効と考え、追加治療を行なった治療抵抗性川崎病症例について報告する。【方法】対象は2018年4月から11月までの間に3rd lineのIFX投与が無効であり当院へ搬送された川崎病患者のうち、IFX投与除外基準(年齢、感染症、アレルギー反応)を有さず、投与の同意が得られた症例について、有熱期間、白血球(WBC)、CRP、各種サイトカイン(IL-6、IL-8、IL-18、G-CSF、IP-10、MIG、MCP-1)を後方視的に検討した。【結果】対象症例は3症例、1-4歳のいずれも女児であった。2例は初発、1例は2回目の川崎病罹患であった。全ての症例は前医で2回の大量ガンマグロブリン(IVIG)2g/kg投与とIFX 5mg/kgが行われたが解熱せず8-9病日に当院へ転院し、8-11病日に2回目のIFXが投与された。2例は追加のIFXで解熱し、1例は無効で追加治療として血漿交換を行なった。いずれも冠動脈合併症なく退院している。IFXが有効であった2症例ではIL-6、IL-18、G-CSF、MCP-1が投与前後で有意に低下していた。無効であった1例ではいずれのサイトカインも上昇していた。【結語】IVIG不応例においてIFX無効例は10-15%と報告されている。しかし初回IFX投与が無効であっても投与量依存的に効果を得られ治癒する症例が一定数存在する可能性があり、血漿交換など侵襲的な治療を避けることができる。短期間にIFXを投与するリスクなど検討すべきことはあるが治療抵抗性川崎病の追加治療として有効であると考える。