第55回日本小児循環器学会総会・学術集会

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ポスターセッション

川崎病・冠動脈・血管

ポスターセッション23(I-P23)
川崎病・冠動脈・血管 1

Thu. Jun 27, 2019 5:40 PM - 6:40 PM ポスター会場 (大ホールB)

座長:麻生 健太郎(聖マリアンナ医科大学 小児科)

[I-P23-05] 川崎病急性期3rd lineにおけるインフリキシマブの有効性に関する検討

犬飼 幸子, 横山 岳彦 (名古屋第二赤十字病院 小児科)

Keywords:川崎病, インフリキシマブ, IVIG不応

【背景】川崎病急性期治療の3rd治療は、個々の病態や施設の方針に基づき実施とされ定まっていない。【目的】IVIG2回不応の3rd lineでのIFXの有効性および安全性を検討すること。【方法】2016年1月1日~2018年12月31日に当院および関連病院1施設で川崎病の診断により入院治療を行った458名のうち、2度のIVIG2g/kgに不応のため3rd lineでIFXを投与した15名(IFX群)とIVIG2g/kgを再投与した20名(IVIG群)を対象とし、4th以後の治療の有無とその内容、冠動脈合併症、副作用の有無を診療記録より後方視的に調査した。【結果】中央値(最小値~最大値)で示す。発症月齢はIFX群40(11~150), IVIG群22(1~87) (p=0.005)で差を認めたが、群馬スコアIFX群6(4~10), IVIG群7(1~10), 経過中の白血球最高値IFX群16220(11990~30960)/μl, IVIG群21115(10350~39300)/μl, CRP最高値IFX群16.3(4.1~24.0), IVIG群14.9(4.1~23.9)については2群間で差がなかった。ステロイド初期併用例はなかった。4th以後の治療を要したのはIFX群4例26.7%(IVIGのみ:3例20.0%、PE含む:1例6.7%)、IVIG群12例60.0%(IVIGのみ:7例35.0%、PE含む:5例25.0%)であり、IVIG群に多かった。発症後1ヶ月時での冠動脈瘤合併は、IFX群が小動脈瘤1例、中等度瘤0例、IVIG群が小動脈瘤1例、中等度瘤1例で、巨大瘤の合併はなかった。IFX群の1例に頭痛を認め遅発性過敏反応が疑われた。【考察】今回の検討では、IFX群の3割程で投与後も発熱を認め追加治療を要したが、IVIG群に比してその割合は少なく、特にPEを必要とした数が少なかった。その上で、IFX群に発症1ヶ月時での中等度瘤以上の合併は認められず、また、重篤な副作用はみられなかった。【結論】川崎病急性期IVIG不応3rd lineのIFXは、ある程度有効で安全性の高い治療であると考えられた。