[I-PD03-02] 新生児慢性肺疾患に合併した肺高血圧症(CLD-PH) の右心機能評価
Keywords:3次元エコー, 肺高血圧, 新生児
超低出生体重児の救命率は向上したが、新生児慢性肺疾患(CLD)は減少していない。CLDに合併した肺高血圧症(CLD-PH)を発症すると死亡率が高まる。CLD-PHの予防・早期診断・治療は、早産児の予後のさらなる改善のために重要である。
小児・成人循環器診療では、肺疾患合併の肺高血圧症は少ない。新生児期の肺高血圧症は肺高血圧分類で発症機序、自然歴、治療法について未解明な点が多い「肺疾患および /または低酸素血症に伴う肺高血圧症」に合致する。
肺疾患を合併した肺高血圧症では、吸入薬以外の肺高血圧治療薬は換気血流不均等を悪化させ低酸素血症を助長する可能性がある。加えて、新生児期は、収縮性・拡張性に乏しい心筋特性から心室間相互作用が大きい。肺高血圧に伴う右室圧上昇が心室中隔の動態を介して左室拡張障害を助長して重篤な両心不全をきたしうる。
我々は、20年前からCLD-PHの診断・重症度評価に右室機能に関わる7つの心エコー指標をスコア化したPH scoreを用いてきた。近年は3次元エコーによる右室容積や右室駆出率、N末端プロB型ナトリウム利尿ペプチド(NT-proBNP)の経時的測定を評価に加えている。
PH scoreの導入当時と比較するとPH scoreが上昇するCLD児は減少している。生後早期の慢性肺疾患予防の診療とともに、肺血管抵抗の上昇につながる満期近くの低酸素血症や高二酸化炭素血症を許容し過ぎない呼吸管理が予防している可能性がある。
PDE5阻害薬などの肺血管拡張薬は、PH score上昇児に限定して投与している。呼吸状態や酸素化、PH scoreや3次元エコーによる右心機能指標、NT-proBNPで治療効果を評価しているが、肺血管拡張薬の効果は限定的と考えている。
CLD-PHは心肺連関に注目する必要があり、CLD児の右室機能を含めた経時的な心機能評価が肺高血圧症の病態解明や病態に即した予防や治療の開発につながることを期待している。
小児・成人循環器診療では、肺疾患合併の肺高血圧症は少ない。新生児期の肺高血圧症は肺高血圧分類で発症機序、自然歴、治療法について未解明な点が多い「肺疾患および /または低酸素血症に伴う肺高血圧症」に合致する。
肺疾患を合併した肺高血圧症では、吸入薬以外の肺高血圧治療薬は換気血流不均等を悪化させ低酸素血症を助長する可能性がある。加えて、新生児期は、収縮性・拡張性に乏しい心筋特性から心室間相互作用が大きい。肺高血圧に伴う右室圧上昇が心室中隔の動態を介して左室拡張障害を助長して重篤な両心不全をきたしうる。
我々は、20年前からCLD-PHの診断・重症度評価に右室機能に関わる7つの心エコー指標をスコア化したPH scoreを用いてきた。近年は3次元エコーによる右室容積や右室駆出率、N末端プロB型ナトリウム利尿ペプチド(NT-proBNP)の経時的測定を評価に加えている。
PH scoreの導入当時と比較するとPH scoreが上昇するCLD児は減少している。生後早期の慢性肺疾患予防の診療とともに、肺血管抵抗の上昇につながる満期近くの低酸素血症や高二酸化炭素血症を許容し過ぎない呼吸管理が予防している可能性がある。
PDE5阻害薬などの肺血管拡張薬は、PH score上昇児に限定して投与している。呼吸状態や酸素化、PH scoreや3次元エコーによる右心機能指標、NT-proBNPで治療効果を評価しているが、肺血管拡張薬の効果は限定的と考えている。
CLD-PHは心肺連関に注目する必要があり、CLD児の右室機能を含めた経時的な心機能評価が肺高血圧症の病態解明や病態に即した予防や治療の開発につながることを期待している。