[II-P45-04] 日齢13で発症した心奇形合併の無い感染性心内膜炎
Keywords:GBS感染性IE, 新生児, 肺動脈疣贅除去術
【目的】新生児期発症の感染性心内膜炎(IE)の報告は少ない.今回我々は日齢13で発症し遷延性肺高血圧(PPHN)となったが救命し得たB群溶血性連鎖球菌(GBS)IE例を経験したので報告する.【症例】日齢13,男児.妊娠分娩歴に特記すべきことなし.日齢11からの発熱,哺乳力低下のため近医受診し当院紹介入院となった.入院時,体温39.1度,活気不良と著明な黄疸を認め,血液検査で炎症反応,肝酵素,ビリルビンの上昇,血小板低下が認められた.髄液検査にて細胞数多数,鏡検でグラム陽性球菌を認め,細菌性髄膜炎,敗血症の診断とし,アンピシリン(ABPC),セフォタキシム(CTX),γグロブリンを開始した.その後呼吸障害が増悪したため挿管,人工呼吸管理を開始したが酸素化安定せず,経胸壁心臓超音波検査で三尖弁に10mmの疣贅を認めIEと診断した.敗血症によるPPHNと診断し,外科的治療が必要と判断したため第1病日に高度医療機関に紹介となった.転院後,カテコラミン,抗生剤投与されたが,疣贅により右肺動脈閉塞をきたしたため日齢15に右肺動脈疣贅除去術が施行された.軽度残存した肺高血圧に対して酸素,シルデナフィルが投与された.呼吸循環動態が安定したため,日齢39に治療継続目的に当院転院となった.前医で行った頭部MRIで多発微小膿瘍を指摘されており,ABPCは6週間投与した.入院中神経学的異常はなく,眼底検査,頭部MRIでも明らかな膿瘍の増悪は認められず日齢78に退院となった.以後発達に問題なく経過している.【結論】日齢13でのGBS感染性心内膜炎を経験した.心奇形の無い新生児期のIEはまれであり,致死率が高いが診断・救命し得た.