[II-P49-03] Fontan candidateの片側肺動脈低形成に対してIntraplumonary-artery septationを行い、Fontan型手術に到達できた2例
キーワード:Intrapulmonary artery Septation, 肺動脈低形成, 症例報告
【背景】片側肺動脈低形成によりFontan型手術への到達が困難な症例に対し、患側肺に体肺動脈短絡血流を、健側肺にGlenn血流を選択的に流すことで、患側肺動脈の成長の促進、健側肺動脈の肺高血圧の抑制しFontan型手術への到達を目標とするIntrapulmonary artery Septation(IPAS)手術の有用性が報告されている。当院で片側肺動脈低形成に対しIPASを経てFontan型手術に到達できた2例を経験したので報告する。
【症例1】1歳8ヶ月、男児。無脾症候群、[I.D.D]、右室性単心室(僧帽弁閉鎖、左室低形成)、両大血管右室起始、重度肺動脈狭窄。1か月時にmodified BT shunt(3.5mm)を施行した。術後のCTでRPA狭窄を認めバルーン拡張(以下BD)を施行したが効果は薄く、7か月時(8.2kg)にIPAS(3.5mm shunt→RPA、LSVC→LPA)を施行した。RPAのPA index(PAI)は33.6→59.7と改善を認め、RPAp 15→12mmHg、LPAp 13→11mmHgと肺血圧の上昇なく、1歳5か月時にTCPCを施行した。
【症例2】10歳、女児。左心低形成症候群(僧帽弁狭窄、大動脈弁閉鎖)。日齢7に両側肺動脈絞扼術、1か月時に絞扼部にBDを施行し、3か月時にNorwood+右室肺動脈導管造設術、11か月時にGlenn手術を施行した。術後よりLPA狭窄の進行あり、BD、肺血管拡張薬を導入したが効果は薄く、3歳0ヶ月時(11.9kg)にIPAS(SVC→RPA、4mm shunt→LPA)を施行した。LPAのPAIは33.5→49.1と改善し、RPAp 16→15mmHg、LPAp 16mm→13mmHgと肺血圧の上昇なく、4歳1か月時にTCPCを施行した。9歳7か月時の心カテでLPAのPAI 50.0と再狭窄なく、CVP 11mmHg、Rp 1.4U、EDP 7mmHg、CI 2.5l/min/m2、SaO2 93%と良好なFontan循環を維持している。
【結語】片側肺動脈低形成に対しIPASを行い患側肺動脈の成長が得られ、肺血圧の上昇なく、Fontan型手術に到達できた。症例2ではFontan型手術後5年以上経過しても肺動脈の縮小はなく、良好なFontan循環を保てている。今後も症例の蓄積が望まれる。
【症例1】1歳8ヶ月、男児。無脾症候群、[I.D.D]、右室性単心室(僧帽弁閉鎖、左室低形成)、両大血管右室起始、重度肺動脈狭窄。1か月時にmodified BT shunt(3.5mm)を施行した。術後のCTでRPA狭窄を認めバルーン拡張(以下BD)を施行したが効果は薄く、7か月時(8.2kg)にIPAS(3.5mm shunt→RPA、LSVC→LPA)を施行した。RPAのPA index(PAI)は33.6→59.7と改善を認め、RPAp 15→12mmHg、LPAp 13→11mmHgと肺血圧の上昇なく、1歳5か月時にTCPCを施行した。
【症例2】10歳、女児。左心低形成症候群(僧帽弁狭窄、大動脈弁閉鎖)。日齢7に両側肺動脈絞扼術、1か月時に絞扼部にBDを施行し、3か月時にNorwood+右室肺動脈導管造設術、11か月時にGlenn手術を施行した。術後よりLPA狭窄の進行あり、BD、肺血管拡張薬を導入したが効果は薄く、3歳0ヶ月時(11.9kg)にIPAS(SVC→RPA、4mm shunt→LPA)を施行した。LPAのPAIは33.5→49.1と改善し、RPAp 16→15mmHg、LPAp 16mm→13mmHgと肺血圧の上昇なく、4歳1か月時にTCPCを施行した。9歳7か月時の心カテでLPAのPAI 50.0と再狭窄なく、CVP 11mmHg、Rp 1.4U、EDP 7mmHg、CI 2.5l/min/m2、SaO2 93%と良好なFontan循環を維持している。
【結語】片側肺動脈低形成に対しIPASを行い患側肺動脈の成長が得られ、肺血圧の上昇なく、Fontan型手術に到達できた。症例2ではFontan型手術後5年以上経過しても肺動脈の縮小はなく、良好なFontan循環を保てている。今後も症例の蓄積が望まれる。