[II-PD05-02] 胸骨正中切開を用いない成人先天性心疾患再手術
Keywords:成人先天性心疾患再手術, 低侵襲手術, 側開胸
【目的】成人心臓手術では、ロボット手術や小開胸手術などが増加している。成人先天性心疾患手術では、約80%が再手術症例であり、再胸骨正中切開を行っているが、1)再開胸が困難な症例や2)低侵襲手術のために側開胸下に手術を行っている。我々の経験を報告する。
【結果】1) 再胸骨正中切開が困難な症例 症例は62歳女性、ファロー四徴症、肺動脈閉鎖の診断にて、14歳時にラステリ手術、42歳時に再右室肺動脈導管置換術施行。右心不全症状が進行し、三尖弁置換術の予定となった。しかしながら右室肺動脈導管は胸壁に食い込んでおり、現時点では再手術の適応にならないこと、心不全症状が強くできる限り低侵襲手術が望ましいと判断し、右開胸での三尖弁置換術を選択した。右乳房下縁切開を行い、右第3肋間開胸。右肺の癒着を剥離し心膜切開、左大腿動脈送血、右頸静脈、大腿静脈脱血にて人工心肺を開始、遺残心室中隔欠損のため左室ベントを挿入した。心拍動下に遺残心室中隔欠損は直接閉鎖、生体弁27mmを用いて三尖弁置換を施行した。
2)低侵襲手術 ファロー四徴症術後肺動脈弁閉鎖不全症に対する左開胸下肺動脈弁置換術は2例に行った。症例1)38歳男性、3歳時にファロー四徴症修復術施行。左前胸部に7.5cmの切開、左第三肋間開胸を行った。右鼠径部の大腿動静脈を穿刺し人工心肺を開始、心拍動下に右室流出路を切開し肺動脈弁置換術(生体弁23mm)を施行した。手術時間3時間26分、術翌日ICU退室、術後7日目に退院となった。症例2)44歳女性、3歳時にファロー四徴症修復術。高度漏斗胸であり、心臓が反時計回りに偏位しているため左前胸部6.5cm切開、左第三肋間開胸にて肺動脈弁置換術を施行した。手術時間3時間39分。
【結語】側開胸を用いた成人先天性心疾患再手術の3例を経験した。側開胸を用いた再手術は適応を選べば手術を低侵襲化できると考えられ、今後重要な選択肢の一つになると考えられる。
【結果】1) 再胸骨正中切開が困難な症例 症例は62歳女性、ファロー四徴症、肺動脈閉鎖の診断にて、14歳時にラステリ手術、42歳時に再右室肺動脈導管置換術施行。右心不全症状が進行し、三尖弁置換術の予定となった。しかしながら右室肺動脈導管は胸壁に食い込んでおり、現時点では再手術の適応にならないこと、心不全症状が強くできる限り低侵襲手術が望ましいと判断し、右開胸での三尖弁置換術を選択した。右乳房下縁切開を行い、右第3肋間開胸。右肺の癒着を剥離し心膜切開、左大腿動脈送血、右頸静脈、大腿静脈脱血にて人工心肺を開始、遺残心室中隔欠損のため左室ベントを挿入した。心拍動下に遺残心室中隔欠損は直接閉鎖、生体弁27mmを用いて三尖弁置換を施行した。
2)低侵襲手術 ファロー四徴症術後肺動脈弁閉鎖不全症に対する左開胸下肺動脈弁置換術は2例に行った。症例1)38歳男性、3歳時にファロー四徴症修復術施行。左前胸部に7.5cmの切開、左第三肋間開胸を行った。右鼠径部の大腿動静脈を穿刺し人工心肺を開始、心拍動下に右室流出路を切開し肺動脈弁置換術(生体弁23mm)を施行した。手術時間3時間26分、術翌日ICU退室、術後7日目に退院となった。症例2)44歳女性、3歳時にファロー四徴症修復術。高度漏斗胸であり、心臓が反時計回りに偏位しているため左前胸部6.5cm切開、左第三肋間開胸にて肺動脈弁置換術を施行した。手術時間3時間39分。
【結語】側開胸を用いた成人先天性心疾患再手術の3例を経験した。側開胸を用いた再手術は適応を選べば手術を低侵襲化できると考えられ、今後重要な選択肢の一つになると考えられる。