[II-TRP01-02] 学校における突然死を“0”にするために-養護教諭における認識調査から分かったこと-
キーワード:養護教諭, 心肺蘇生法, 自動除細動器
【背景】若年者における突然死は、学校検診の充実、救急救命技術の向上などにより減少しているが完全に防ぐことはできておらず、速やかな心肺蘇生法(CPR)の完全実施が望まれている。学校における児童の意識消失の多くは教職員がはじめに対応するが、速やかなCPR施行,AED使用が救命において最も重要である。今回、我々は学校現場における救命活動に関する現況を把握するため養護教諭を対象にCPR、自動体外式除細動器(AED)に関するアンケート調査を行った。【目的】CPR、AEDに関して養護教諭の現況を調査する。【方法】今回、救命活動の中心になることが多い愛媛県内の養護教員(男性0名、女性107名)を対象にアンケート調査(無記名)を行った。一次救命処置、AEDの技術習得と実施及び学校におけるトレーニングに関して質問した。【結果】88%の養護教諭がCPRを施行可能、AEDに関しても91%が施行できると考えていた。AED使用に関しては10%の養護教諭が使用を経験し、7%において実際にショックが必要であった。一件は近隣住民に使用されていた。また、訓練に関しては最低1回以上の教職員対象救命救急法講習会があり、半数ではシュミレーションによる講習が行われていた。ただ、40%程度の養護教諭が不在時の救命救急活動に不安を持っていた。【考察】養護教諭はCPR実施、AED施行に対する不安は少なかった。また、我々の予想より多く、10%程度は実際のAED施行を経験していた。また訓練に関してもシュミレーションの追加など更に改善していくための意識の高さが伺われた。ただ、養護教諭不在時の救命活動に対する不安が40%程度あり、今後は養護教諭以外の教職員の認知もより進めていく必要があると考えられた。【結論】養護教諭はCPR等に関して高い意識・知識を持たれていた。今後の課題としてはこの意識を教職員及び生徒により広げていくことが必要と考えられた。