第55回日本小児循環器学会総会・学術集会

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ポスターセッション(多領域専門職部門)

集中治療・看護

ポスターセッション(多領域専門職部門)3(II-TRP03)
集中治療・看護

Fri. Jun 28, 2019 5:30 PM - 6:30 PM ポスター会場 (大ホールB)

座長:栗田 直央子(静岡県立こども病院 看護部)

[II-TRP03-01] カテコラミン製剤シリンジ交換時に血圧変動が生じる患児の要因

工藤 翼1, 皆川 ゆり子1, 福田 由紀子1, 名和 智裕2 (1.北海道立子ども総合医療・療育センターPICU, 2.北海道立子ども総合医療・療育センター 小児循環器内科)

Keywords:カテコラミン製剤シリンジ交換, 血圧変動, 要因

【背景】カテコラミン製剤は注入量の少量の変動で循環動態に影響を及ぼすため、シリンジ交換時に注意が必要である。当センターPICUにおいても、カテコラミン製剤を高頻度で使用し、患児によってシリンジ交換時に血圧変動などの影響がみられることがある。【目的】カテコラミン製剤シリンジ交換時に血圧変動が生じる患児の要因を明らかにする。【方法】2016年12月から2018年3月までの間にアドレナリンもしくはノルアドレナリンを持続投与していた重症患児27名のデータを対象とし、患者記録を後方視的に検討した。シリンジ交換に伴う血圧変動に対するイベント(カテコラミン製剤、輸液、血液製剤、利尿剤の増減、持続血液濾過透析の除水量調整など循環動態の改善を目的として行った操作、処置)の有無で有害事象有群と有害事象無群に群分けし検討した。【結果】シリンジ交換総数は102回(有害事象有群:n=31、有害事象無群:n=71)、年齢は1.6±3.5歳、カテコラミン製剤投与期間は7.7±10.6日であった。投与量は有害事象有群0.15±0.05γ、有害事象無群0.11±0.06γ、収縮期血圧は有害事象有群66.0±15.2mmHg、有害事象無群65.9±15.3mmHg、平均血圧は有害事象有群53.9±13.8mmHg、有害事象無群53.8±13.8mmHg、収縮期血圧変動割合(シリンジ交換前後の収縮期血圧の変化量/シリンジ交換前収縮期血圧×100)は有害事象有群9.6±6.9%、有害事象無群7.2±6.4%であった。患者背景には有意差はみられなかった。さらに体外式膜型人工肺や持続血液濾過透析などの体外循環施行の有無で検討したところ、両群間で有意差(P=0.01)がみられた。【考察】カテコラミン製剤の投与量や血圧の値によってシリンジ交換時の有害事象に影響はみられなかったが、体外循環施行中の循環動態が不安定であり、シリンジ交換時に有害事象が生じやすいことが示唆された。今後、体外循環を施行している患児のシリンジ交換に工夫が必要である。