[II-TRP03-03] 単心室修復と二心室修復後の心肺運動負荷試験(CPX)による運動耐容能の評価 ~有効な疾患管理にむけて~
キーワード:単心室修復, 二心室修復, CPX
【背景】先天性心疾患への心肺運動負荷試験(CPX)は運動耐容能評価,疾患重症度評価,治療果判定に用いられる.近年,単心室修復後の運動耐容能評価について報告が散見されるが,二心室疾患修復後と比べた報告は少ない.【目的】当院ACHD外来に通院している単心室修復疾患と二心室疾患修復疾患根治例後の運動耐容能についてCPXで評価比較し今後の管理に繋げること.【方法】単心室修復疾患群(A群)と二心室修復疾患群(B群)に分類し年齢,性別,出生から根治手術までの期間,最終手術からCPXまでの期間,血漿BNP値,CPX検査値はPeak VO2,AT,VE/VCO2 slopeを算出した.【結果】疾患(A群 Fontan術等5名vs B群 ラステリ術等5名),年齢(A群 28.8±13.2歳 vs B群 31.2±10.7歳),性別(A群 男4/女1 vs B群 男3/女2),出生から根治手術までの期間(A群9.0±5.0年vs B群6.8±3.9年),最終手術からCPXまでの期間(A群19.4±9.6年vs B群14.4±9.8年),検査時血漿BNP値(A群24.3±2.3 vs B群23.4±9.2),Peak VO2(A群 16.8±5.4 vs B群12.4±3.2),AT値(A群11.2±3.1 vs B群8.8±1.9),VE/VCO2 slope値(A群32.1±4.7 vs B群28.1±3.1)であった.【考察】今回の検討ではB群に比べA群の運動耐容能が高く一般的な臨床結果とは異なっていたが,その背景として対象例が少なかった事,B群は右心不全による再手術介入を要した症例が多い事の影響が考えられた.【結論】ACHD患者へのCPXは手術後の心機能回復指標として有効とされており,今後更に症例数を増やし単心室疾患,二心室患者に応じた患者管理に生かせるようにしていきたい.