第55回日本小児循環器学会総会・学術集会

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ポスターセッション(多領域専門職部門)

安全・安楽

ポスターセッション(多領域専門職部門)4(II-TRP04)
安全・安楽

Fri. Jun 28, 2019 5:30 PM - 6:30 PM ポスター会場 (大ホールB)

座長:森貞 敦子(倉敷中央病院 看護部)

[II-TRP04-05] 他施設での小児心臓外科手術経験

山上 進之介1, 深江 宏冶2 (1.熊本市立熊本市民病院 中央手術部, 2.熊本市立熊本市民病院 小児心臓外科)

Keywords:小児心臓外科手術, 他施設手術, 病院機能停止

【はじめに】
「平成28年熊本地震」は2016年4月14日と16日に最大震度7を2回観測した地震である。熊本県内唯一の小児心臓外科を有するA病院は14日の前震では被害も少なく救急患者の受け入れを行ったが、16日の本震では建物の被害が大きく病院機能が停止し、16日14時頃には全入院患者の退院・転院が完了した。病院機能が停止したことを受け、小児心臓外科をはじめ4診療科で他施設での手術が検討された。今回、手術室看護師として、他施設で手術を行うための準備と実際の他施設での手術を経験したので報告する。
【目的】
小児心臓外科を持たない他施設で、手術を開始するまでの経緯と取り組みを明らかにする。
【手術開始まで】
小児心臓外科では熊本県内の患者・家族の負担軽減と手術チームのスキル維持、手術器械や人工心肺装置などの劣化を防ぐ目的で4月下旬に事務局間でB病院との協議を行い手術実施が可能となった。他施設で安全且つ円滑に手術を行うため、小児心臓外科医師、麻酔科医師、看護師、臨床工学技士すべての関連職員がB病院で業務を行うため事務手続きを行った。その後B病院手術部と実際に手術で使用する鋼製小物や消耗品など持込みが必要な物品の確認と、その管理方法について数回にわたり協議を行った。持込む器材はB病院が確保可能な保管場所に必要物品を収めるため、外科医師とも相談し最小限にまとめた。
【手術開始から】
手術が開始されてしばらくはB病院職員から病院内や手術部のルールや記録方法などのサポートを受け、徐々にA病院職員だけで手術、それに関わる業務を行えるように移行した。術前準備は当日しかできないため、準備業務を見直し時間短縮を図った。
【終わりに】
2016年6月から2019年1月までに、大きなトラブルなく91例の手術を経験した。
それでも年間100例近くを県外の施設へ紹介する中、B病院の協力により40例を県外施設に頼ることなく熊本県内で手術を維持できた。