[III-P81-05] QT延長症候群におけるQTcの経時的変化
Keywords:LQTS, QTc, TdP
【背景】QT延長症候群(LQTS)は近年原因遺伝子が同定され、遺伝子診断率の向上により、遺伝子型と表現型の関連が検討されている。
【目的】LQT1型におけるTdP発生とQTcの関連性を明らかにすること。
【方法】2004年6月~2018年12月までに当院から遺伝子解析を依頼したLQTS疑いの43家系中、KCNQ1遺伝子変異を有し、3年以上当院でフォローされている児を対象とした。接線法によるQTc(Fridericia)を経時的に算出し、後方視的に比較検討を行った。
【結果】対象は23例(男性 15例、女性 8例)であった。KCNQ1遺伝子異常のうち、TdPの既往は男児 1例(11歳時)であった。対象の12歳、15歳、20歳におけるQTcを算出し、男女で比較したが, いずれも有意差は認めなかった(p=0.206、0.768、0.25)。【考察】TdP発生機序として、第1拍目のPVCは早期後脱分極(EAD)からの撃発活動、第2拍目以降は心室筋各部位における再分極時間のばらつきが増大することによるリエントリーが考えられている。KCNQ1遺伝子変異例ではTdP発生年齢には男女差があり、男性では思春期を境にTdPリスクは低下し、以降女性が増加してくることが知られている。TdPを呈した1例はp.R591H(c.G1772A)で家族歴はなく、QTc 0.516と著明に延長していたが、思春期前後の年齢における男女のQTc比較では、有意差は認められなかった。性ホルモンなど他の要素によるイオンチャネルへの影響が考えられた。
【結論】TdPリスクはQTcに加え、性ホルモンなどの他の因子も関与していると考えられる。
【目的】LQT1型におけるTdP発生とQTcの関連性を明らかにすること。
【方法】2004年6月~2018年12月までに当院から遺伝子解析を依頼したLQTS疑いの43家系中、KCNQ1遺伝子変異を有し、3年以上当院でフォローされている児を対象とした。接線法によるQTc(Fridericia)を経時的に算出し、後方視的に比較検討を行った。
【結果】対象は23例(男性 15例、女性 8例)であった。KCNQ1遺伝子異常のうち、TdPの既往は男児 1例(11歳時)であった。対象の12歳、15歳、20歳におけるQTcを算出し、男女で比較したが, いずれも有意差は認めなかった(p=0.206、0.768、0.25)。【考察】TdP発生機序として、第1拍目のPVCは早期後脱分極(EAD)からの撃発活動、第2拍目以降は心室筋各部位における再分極時間のばらつきが増大することによるリエントリーが考えられている。KCNQ1遺伝子変異例ではTdP発生年齢には男女差があり、男性では思春期を境にTdPリスクは低下し、以降女性が増加してくることが知られている。TdPを呈した1例はp.R591H(c.G1772A)で家族歴はなく、QTc 0.516と著明に延長していたが、思春期前後の年齢における男女のQTc比較では、有意差は認められなかった。性ホルモンなど他の要素によるイオンチャネルへの影響が考えられた。
【結論】TdPリスクはQTcに加え、性ホルモンなどの他の因子も関与していると考えられる。