[III-P81-04] 胎児期の危険因子に基づくQT延長症候群の早期診断
Keywords:QT延長症候群, 家族歴, 心室頻拍
【はじめに】QT延長症候群(LQTS)は乳幼児突然死症候群(SIDS)との関連が指摘されており,早期診断が重要である.自験例を通して,LQTSの早期診断につながる胎児期の危険因子を検討する.
【対象と方法】胎児期から観察しえたLQTSの3症例を,診療録から後方視的に検討した.
【結果】診断は,症例1) 2) LQT1(遺伝子診断なし),3) LQT2(遺伝子診断あり)で,LQTの家族歴は1)母LQT1 (遺伝子診断なし)/QTc(Bazett) 545msec,2) 母LQT1 (遺伝子診断なし)/QTc 470msec,3)なし.胎児心拍数は1)110/分,2)120/分,3)非発作時130-140/分(心室頻拍あり).胎児心拍モニタリングで1) 2) 基線細変動は減少し一過性頻脈乏しい,3)異常なし.在胎週数/出生体重/Apgar score(1分-5分)は1)36週1日/2518g/8-8,2)41週2日/2650g/8-8,3) 38週5日/3342g/8-9.出生後のQTcは1) 582msec,2) 635msec,3) 508msecであった.全例で新生児期にpropranolol内服が開始された.3)は日齢3からmexiletineに変更.観察期間/直近のQTcは1)49日/499msec,2)36日/483msec,3)11年/480msecであった.
【考察】LQTS症例の胎児所見としてLQT1で洞性徐脈,LQT2,3で心室頻拍やtorsades de pointesが報告されている.自験例1)2)では母にLQT1の家族歴があり,胎児徐脈は明らかでなかったが,心拍モニタリングで基線細変動が減少していた.3)は胎児心室頻拍がみられ,LQT2と遺伝子診断された.
【結論】家族歴のある症例では,胎児心拍数が正常でも心拍モニタリングで変動が乏しければLQTSを疑い,家族歴のない症例でも心室頻拍があればLQTSの可能性を想定すべきである.胎児期に危険因子があれば,出生後積極的に心電図スクリーニングを行うことで,LQTSの早期診断が可能になる.
【対象と方法】胎児期から観察しえたLQTSの3症例を,診療録から後方視的に検討した.
【結果】診断は,症例1) 2) LQT1(遺伝子診断なし),3) LQT2(遺伝子診断あり)で,LQTの家族歴は1)母LQT1 (遺伝子診断なし)/QTc(Bazett) 545msec,2) 母LQT1 (遺伝子診断なし)/QTc 470msec,3)なし.胎児心拍数は1)110/分,2)120/分,3)非発作時130-140/分(心室頻拍あり).胎児心拍モニタリングで1) 2) 基線細変動は減少し一過性頻脈乏しい,3)異常なし.在胎週数/出生体重/Apgar score(1分-5分)は1)36週1日/2518g/8-8,2)41週2日/2650g/8-8,3) 38週5日/3342g/8-9.出生後のQTcは1) 582msec,2) 635msec,3) 508msecであった.全例で新生児期にpropranolol内服が開始された.3)は日齢3からmexiletineに変更.観察期間/直近のQTcは1)49日/499msec,2)36日/483msec,3)11年/480msecであった.
【考察】LQTS症例の胎児所見としてLQT1で洞性徐脈,LQT2,3で心室頻拍やtorsades de pointesが報告されている.自験例1)2)では母にLQT1の家族歴があり,胎児徐脈は明らかでなかったが,心拍モニタリングで基線細変動が減少していた.3)は胎児心室頻拍がみられ,LQT2と遺伝子診断された.
【結論】家族歴のある症例では,胎児心拍数が正常でも心拍モニタリングで変動が乏しければLQTSを疑い,家族歴のない症例でも心室頻拍があればLQTSの可能性を想定すべきである.胎児期に危険因子があれば,出生後積極的に心電図スクリーニングを行うことで,LQTSの早期診断が可能になる.