第55回日本小児循環器学会総会・学術集会

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ポスターセッション

心血管危険因子・学校保健

ポスターセッション89(III-P89)
心血管危険因子・学校保健

Sat. Jun 29, 2019 1:00 PM - 2:00 PM ポスター会場 (大ホールB)

座長:澤田 博文(三重大学大学院医学系研究科 麻酔集中治療学)

[III-P89-04] 学校検診で異常を指摘された症例の検討

太田 宇哉, 永田 佳敬, 西原 栄起, 倉石 建治 (大垣市民病院 小児循環器新生児科)

Keywords:学校検診, 心電図, 先天性心疾患

【背景】学校心臓検診はガイドラインの整備や心臓超音波検査の導入により、心疾患の発見において精度が上昇している。【目的】2009年から2018年の10年間に学校心臓検診や内科検診で異常を指摘され当院を受診した小学校1年生、4年生、中学校1年生の検診結果と最終診断について評価すること。【方法】初診で受診した症例より学校検診症例を選択し後方視的に検討した。【結果】総受診数は小学校1年生320人、4年生311人、中学校1年生338人だった。受診を必要とした主要な内訳はIRBBB207人(21%)、VPC195人(20%)、心雑音122人(12%)、SVPC61人(6%)、CRBBB48人(5%)、WPW症候群47人(5%)で大半を占めた。IRBBBは小1:63人、小4:76人、中1:68人と受診数に傾向はなく、手術適応のASDは小1:11例、小4:1例、中1:1例、smallASDは小1:9例、小4:1例、中1:3例に診断した。他の診断は、LVNC11例、Brugada様ECG5例、PS、AR、冠動静脈瘻、AVB各2例、LQT、VPC各1例であった。VPCは小1:52人、小4:59人、中1:84人と増加し、受診後に診断が異なっていたのは、SVPC1例、WPW症候群と大動脈二尖弁の合併が各1例いた。心雑音は小1:65人、小4:25人、中1:32人であった。病的な心雑音としてはMR6例、末梢性PS3例、PDA2例、TR2例、偶発的に診断したのはLVNC3例、smallASD2例、AR2例であった。SVPCで受診後に診断が異なっていたのは、洞性不整脈6例、VPC2例、異所性調律1例であった。CRBBBではASDsmallが2例、大動脈二尖弁1例、LVNC1例であった。WPW症候群と診断された例では、異常なしが4例、VPC1例、WPWが42例であった。【考察と結論】各学年の総受診者に傾向はなかった。IRBBBが最多でASD症例の抽出ができていた。VPCは中1が最多であった。心雑音は小1が最多でありMR、PS、PDAなどの疾患を診断した。最終診断が異なる症例もあり検診委員へのフィードバックを行いより精度の高い検診を目指す必要がある。