[III-TRO04-03] 心臓病児者の福祉・生活課題~会員生活実態調査の結果から
キーワード:福祉, 就学, 就労
【背景】当会は、小児期に発症した心疾患患者を中心とした患者・家族の会である。会が取り組む課題は、発足当初、医療費の負担軽減が中心であったが、56年を経た現在では、生活の質の向上や就労問題まで広がってきている。医療・社会福祉制度を当事者の視点から評価し、その問題点を発信することは当会の役割の一つである。【目的】当会の会員が、生活や就労において困難と感じている課題と、その実情を明らかにすること。【方法】全会員3744世帯を対象に自記式質問紙調査を実施した。調査では、患者の治療状況、世帯/本人の年収、利用している福祉制度、就学・就労状況などを尋ねた。また、困っていること、不安に思っていることを自由記述にて回答を求めた。本調査の分析にあたっては、平成30年度厚労科研(研究代表者・檜垣高史)からの協力を得て行った。【結果】3744世帯のうち1120世帯から回答を得た(回収率29.9%)。【考察】福祉施策の受給率は年代を問わず厳しい状況にある。患者の就労率は高いが非正規雇用が多く、収入は低く自立して生活をしていけるのかといった将来への不安を訴える声が多く寄せられた。