[I-OEP02-2] Fontan (TCPC) 変換術後の心房性頻拍症に対する心房抗頻拍ペーシングの有効性
キーワード:フォンタン変換術, 心房頻拍, 心房抗頻拍ペーシング
【背景】心外導管を用いたFontan(TCPC)変換術(F変換)はFontan術後の心房性頻拍症(AT/AF)の減少に寄与する。しかし、AT/AFがF変換術後に残存する事もあり、術後AT/AFに対するカテーテルアブレーションは血管アクセスに制限があり困難となる。近年、心房抗頻拍ペーシング(aATP)デバイスのAT/AF抑制に有効性が報告されているが、F変換術後の有効性は未知である。【目的】F変換術後AT/AFに対するaATPの有効性を評価する事。方法: 単施設でaATPデバイス植込みされたF変換術後に関して、aATPの有効性や有害事象を遠隔モニタリングや診療録データから後方視的に検討した。【結果】F変換術後にaATPデバイス(Medtronic社)植込みがなされた22名中、9名(40%)にAT/AFに対してaATPが作動した。総aATP治療数は1051回で、53%(N=563)が治療成功した。治療の42%(N=438)はF術後3か月以内に作動し、治療成功率は64%であった。44%の患者(N=4)ではaATP成功率は90%を超えていた。AT/AFの頻拍周期は150-199ms (9%), 200-249ms (34%), 250-299ms (28%), 300-349ms (14%), 350-399ms (14%)であり、各々aATP成功率は31, 49, 53, 59, 8 %であった。6名はF術前にAT/AFに対する電気的除細動の既往があったが、F術後にaATPを受けたものの一人も電気的除細動は施行されていない。aATPによる1:1房室伝導促進による循環虚脱などの副作用は認めていない。【結論】aATPはF術後のAT/AF抑制に安全かつ有効な治療である。