[I-YB01-2] 当院におけるPA,IVSに対する積極的PTPVへの取り組み
Keywords:PA,IVS,PTPV,BVR
【背景】当院におけるPA,IVSに対する治療戦略は2013年より肺動脈弁が膜様閉鎖で右室依存性冠循環(RVDCC)でない場合、積極的に経皮的肺動脈弁形成術(PTPV)を施行し乳児期早期より順行性血流を確保してRV rehabilitationを行っている。【目的】積極的PTPVによるRV rehabilitation効果について検討【方法】2013年1月から2020年1月までに当院で出生、または新生児搬送されたPA,IVS全22症例をPTPV群 (P群) 14例と非PTPV群 (NP群) 8例 (RVDCC 5例うち全冠動脈孔閉鎖2例、PDA high flow1例、PTPV不成功2例)に分けて後方視的に解析した。【結果】三尖弁輪径はP群71.7±19.0 % of N (中央値 67.5% : 39% - 109%)、NP群47.8±31.0 % of N (中央値 41.5 % : 20 % - 112 %) 、RV volumeはP群77.1± 35.7 % of N (中央値 73 % : 20 % - 154 %)、NP群66.7± 59.9 % of N (中央値 39 % : 8.7 % - 165 %)でいずれも両群間で有意差はなかった。(三尖弁輪径p 0.129、RV volume p 0.376) P群の乳児期手術介入はmBT shunt + PDA ligation 7例、PDA ligation 1例、RV overhaul+RV patch拡大 1例、非介入 5例、最終的に2心室修復 (BVR) 13例、単心室修復 (UVR) 1例でBVR到達率は92.8 %であった。NP群はmBT shunt + PDA ligation 5例、肺動脈弁切開 + PDA ligation 2例、術前死亡 1例、最終的にBVR 2例、UVR 3例、死亡3例でBVR到達率は25%であった。【考察】RVが小さくともRVDCCでなければ、PTPVする事でBVRの道が開かれる事がわかった。当院の治療方針としてPTPVはBVRへの足掛かりのみならず、UVRに進んでも高圧RV内の血栓形成やLVへの影響 (拡張障害、流出路障害)を懸念し積極的に施行している。一方UVR (RVDCCによるPTPV非施行)の高圧RVに対しての三尖弁への対応は検討課題である。【結語】PA,IVSに対して積極的にPTPVを施行して乳幼児早期よりRV rehabilitationを行い、多くの症例がBVRに到達する事ができた。