[I-YB01-3] 新生児三尖弁輪径を基準にした純型肺動脈閉鎖・重症肺動脈弁狭窄症に対する治療法の選択:25年の中期成績をもとに
Keywords:純型肺動脈閉鎖, 三尖弁輪径, 新生児
【背景】純型肺動脈閉鎖では三尖弁輪径、右室容量から治療が選択されることが多い。新生児期では三尖弁輪径と右室容量は相関し、経時的に三尖弁輪径は大きく成長しない報告がある。開放制限を伴う例も認めるが、右室のinflowとしての弁輪径は治療法の最重要な因子であると考えられる。
【方法】1996年から2020年の25年間に当院で治療を行った純型肺動脈閉鎖および重症肺動脈弁狭窄症60例を対象とし、治療法・予後の検討を行った。また後方視的に心エコーによる新生児期の三尖弁輪径と治療法の関係を検討した。フォロー中断の2例は除外した。
【結果】観察期間は中央値104か月(IQR 62-213か月)で、1,5,15年生存率は96%, 95%,95%であった。Inter stageに3例(5%)死亡を認めた。遠隔期死亡、Conversionは0例であった。2, 1.5, 1心室修復、待機中はそれぞれ 29(53%),6(11%),12(22%),8/55(14%)例であった。最新の観察時はNYHA1 50/55例 (91%)であった。1心室修復の選択は、筋性閉鎖や右室依存性冠循環6/8例、三尖弁の著明な開口不良2/8例であった。2心室と1.5心室修復術は1か月(0-24か月)、38か月(31-44か月)で行われた。2群の比較では、三尖弁輪径Zスコア -0.36(-0.97-+1.29)vs -5.22(-5.9--3.4)、正常の99.9%(91-116%)vs66.6%(63-78%)と有意差を認めた。ROC解析では三尖弁Zスコア -2.63、正常の86%が2心室と1.5心室のcut off値であった。
【考察】新生児期の三尖弁輪径から将来の治療法をおおよそ推測できる。三尖弁の開放制限のある例では上記よりも基準をあげ、また1.5心室修復では体格の成長に伴い下大静脈血流の割合が増えることも考慮した治療法の選択が望まれる。
【方法】1996年から2020年の25年間に当院で治療を行った純型肺動脈閉鎖および重症肺動脈弁狭窄症60例を対象とし、治療法・予後の検討を行った。また後方視的に心エコーによる新生児期の三尖弁輪径と治療法の関係を検討した。フォロー中断の2例は除外した。
【結果】観察期間は中央値104か月(IQR 62-213か月)で、1,5,15年生存率は96%, 95%,95%であった。Inter stageに3例(5%)死亡を認めた。遠隔期死亡、Conversionは0例であった。2, 1.5, 1心室修復、待機中はそれぞれ 29(53%),6(11%),12(22%),8/55(14%)例であった。最新の観察時はNYHA1 50/55例 (91%)であった。1心室修復の選択は、筋性閉鎖や右室依存性冠循環6/8例、三尖弁の著明な開口不良2/8例であった。2心室と1.5心室修復術は1か月(0-24か月)、38か月(31-44か月)で行われた。2群の比較では、三尖弁輪径Zスコア -0.36(-0.97-+1.29)vs -5.22(-5.9--3.4)、正常の99.9%(91-116%)vs66.6%(63-78%)と有意差を認めた。ROC解析では三尖弁Zスコア -2.63、正常の86%が2心室と1.5心室のcut off値であった。
【考察】新生児期の三尖弁輪径から将来の治療法をおおよそ推測できる。三尖弁の開放制限のある例では上記よりも基準をあげ、また1.5心室修復では体格の成長に伴い下大静脈血流の割合が増えることも考慮した治療法の選択が望まれる。