[I-YB01-6] 純型肺動脈閉鎖症に対するFontan術後成績
Keywords:PAIVS, Fontan, 遠隔成績
【目的】純型肺動脈閉鎖(PA-IVS)患者のFontan術後成績を検討した. 【対象と方法】1983-2019年までPA-IVSに対する単心室手術の76例(67%)を対象とした(その他術式二心室手術(n=31, 27%), 1+1/2心室手術(n=7, 6%)). 単心室群のグレン手術前三尖弁輪z-scoreは-2.9±1.8であった. Fontan手術時年齢中央値(IQR)は3.4(2.7-4.5)歳, 体重は12(11.3-13.5)kgであった. 三尖弁閉鎖(±fenestration)によるRV exclusionは22%であった. 右室依存性冠動脈は19%であった. 主な投薬内訳はワーファリン99%, アスピリン92%, ACE-I/ARB 92%, βブロッカー27%であった. 術後観察期間は10.3(3.5-13.9)年であった. 【結果】全例生存し, Fontan循環破綻も認めなかった. BNP値は8.1(5.8-20.4)pg/mlであった. 術後カテーテル検査ではIVC圧:9(8-10)mmHg, LVEDP:6(4-8)mmHg, LVEF:60.7(56-65.5)%, SaO2:95(94-95.8)%であった. 心エコー検査によるTR-PGはRV exclusionの有無で12(1.4-48.6) vs 83.8(56.3-124)mmHg (p=.008)であった. 運動負荷心電図検査ではmax HR%N:94.0±12.9%, max VO2%N:81.9±17.3%であった. 術後続発症は不整脈3例, 脳梗塞1例, 脳出血1例, 卵巣出血1例に認めた. 肝エコー検査による肝辺縁鈍, 実質粗造, 表面不整はそれぞれ55%, 18%, 2%であった. 【結論】術後抗凝固と心血管保護療法を積極的に実践したPA-IVSのFontan術後成績は良好であった. RV exclusionは右室の減圧に有用であった. 肝障害についてはさらなる遠隔期の検討が必須である.